研究分担者 |
甲斐荘 正恒 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20137029)
上杉 晴一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (70028851)
神藤 平三郎 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (80138966)
京極 好正 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (90012632)
水野 猛 名古屋大学, 農学部, 教授 (10174038)
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研究概要 |
蛋白質が認識するDNA構造の研究に関して次の事を行なった。 (1)DNA結合タンパク質の高次構造解析 (1ー1)原がん遺伝子産物MybのDNA結合ドメインの立体構造。 原がん遺伝子産物Mybは転写調節因子であり,DNA結合ドメインをもつ。DNA結合ドメインは,52個のアミノ酸からなる3個のくり返し構造をもっている。その3番目に関して,NMRとディスタンス・ジェオメトリ-により三次元立体構造を求める事ができた。その結果ヘリックス・タ-ン・ヘリックス(HTH)構造の類似体であったが,明確に区別でき,新しい型のDNA結合ドメインである事が判った。 (1ー2)プリンリプレッサ-(PurR)の2次構造解析をNMRで行なった他,OmpR,PhoB,Hu,IHFのNMRの解析を始めた。 (2)DNAの高次構造解析 (2ー1)DNAと薬物(ブレオマイシン)の相互作用をNMRで解析した結果,ブレオマイシンはDNA二重らせんの狭い溝で相互作用している事が判った。 (2ー2)オリゴA配列を持つ湾曲DNAの構造,異常に安定な一本鎖DNAの構造をNMRにより解析し,配列とDNA構造の相関を調べた。 (3)DNAとDNA結合タンパク質の相互作用。 (3ー1)大腸菌浸透圧制御のタンパク質OmpRの特異的DNA結合配列を同定し,その配列が認識されている事を確認した。 (3ー2)DNA結合タンパク質のMyb,Gal4,IHFについて,特異的配列をもつDNAとの相互作用を検討し,結合定数等を評価した。
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