研究課題/領域番号 |
03259202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原田 一誠 東北大学, 薬学部, 教授 (70011583)
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研究分担者 |
竹内 英夫 東北大学, 薬学部, 助教授 (30111454)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | DNA結合蛋白質 / 蛋白質一核酸相互作用 / 核酸構造 / BーZ構造転移 / オリゴペプチド |
研究概要 |
蛋白質ーDNA相互作用のモデルとして、リジン(Lys)またはアルギニン(Arg)を含む多種のオリゴペプチドを合成し、poly(dG‐m^5dC)との相互作用、特にBーZ構造転移について、円偏光二色性、ラマン散乱、核磁気共鳴の各分光法を用いて調べた結果、次の知見を得た。 1.poly(dG‐m^5dC)のBーZ転移は、原則として(LysーX)nーLys型のアミノ酸配列を持ち、XがLysやArgなどの塩基性アミノ酸、またはGlyやAlaのような小さな残基であるオリゴペプチドによって誘起され、その誘起能は繰り返し数nが増すにしたがって急速に増大する。 2.例外としてLys‐Gly‐LysはB‐Z転移を誘起しない。ペプチドの柔軟性によるエントロピ-が、核酸との相互作用エンタルピ-に勝るため、DNAと有効な相互作用をしないためと考えられる。 3.Lys‐Gly‐Phe‐Gly‐Lys,Lys‐Gly‐Tyr‐G1y‐Lysは、Lys‐Ala‐Lysよりは大きいが、Lys‐Lys‐Lysよりは小さな誘起能を有する。これらのペンタペプチドは、タ-ン構造を取り、トリペプチドと類似の形態でDNAと相互作用すると解釈される。 4.Argを複数含むペプチドは、BーZ転移を誘起せず、B型のまま核酸を凝集させる作用が強い。 5.Z型を誘起するペプチドも過剰に加えるとDNAを凝集させる。 6.DNAの凝集は溶液中のB型またはZ型構造を保持したまま生じる。 7.BーZ転移はペプチドがDNAに固定的に結合して生起するものでなく、流動的な相互作用の結果である。 8.ペプチドによるZ型のDNA構造の安定化は、エントロピ-増大よりもエンタルピ-の減少によるものである。
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