研究課題/領域番号 |
03259208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 建夫 大阪大学, 理学部, 助教授 (40051817)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ColE2プラスミド / ColE3プラスミド / 複製開始蛋白 / 複製開始部位 / DNA結合蛋白 / プラスミド特異性 / キメラ遺伝子 / キメラ蛋白 |
研究概要 |
ColE2、ColE3プラスミドの複製開始蛋白(Rep蛋白、35Kda)は、複製開始部位(Ori部位、約35塩基対)にプラスミド特異的に作用して、DNA複製を開始させる。今年度の研究により以下の知見が得られた。1.キメラ遺伝子を作製することにより、Rep蛋白とOri部位との相互作用の特異性は、Rep蛋白C末端側約3分の1の領域内の2ヶ所の部分のアミノ酸配列の組合せとOri部位内の2ヶ所の位置の塩基の組合せとによって決定されていることが解った。2.Ori部位の欠失変異の性質の分子遺伝学的解析より、Ori部位は、Rep蛋白との相互作用とDNA複製開始反応の両方に必須の領域と後者のみに必須の領域とに分けられることが解った。3.Rep蛋白の再現性の高い精製法を確立できた。4.精製Rep蛋白を用いて、Ori部位への結合の様式をフィルタ-結合法とフット・プリント法により解析した。Ori部位内に少なくとも2ヶ所のRep蛋白との強い相互作用領域が存在すること、Rep蛋白の結合によりOri部位内および隣接領域にDNA構造の変化が誘起されること、などが解った。また、Rep蛋白とOri部位との結合には、強弱2つの様式があることも示唆された。5.15種類のColE群プラスミドの複製領域の塩基配列を決定し、Rep蛋白遺伝子、Ori部位など同定した。ColE2、ColE3を含めて4種類のRep蛋白とOri部位との相互作用の特異性グル-プが存在することが解った。 今後は、ColE2、ColE3以外のColE群プラスミドのRep蛋白やキメラRep蛋白を含めて、in vitroのDNA合成反応の解析、Rep蛋白とOri部位の結合の解析なども行い、Rep蛋白の示す種々の機能を担うドメインの同定を試みる研究を計画している。
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