研究概要 |
シトクロムPー450camオペロン(camDCAB)・リプレッサ-(CamR蛋白質)について,以下の研究成果を得た。 1.CamR蛋白質の多量生産株を作製し,この菌から,硫安分画,DE52クロマトグラフィ-およびゲル濾過により,総蛋白量の2%の収量で純粋なCamR蛋白質を得た。 2.CamR蛋白質は,サブユニットの分子量が約20,000のホモダイマ-構造を持ち,その等電点は約5.8である。CamR蛋白質のオペレ-タ-DNAへの結合の解離定数は5x10^<-8>Mで,誘導物質(カンファ-)により結合能を朱った。その際,CD差スペクトルによれば,カンファ-の結合により,CD差スペクトルによれば,カンファ-の結合により,CamR蛋白質の二次構造はαーヘリックスの含量が約10%減少し,βーシ-トも少し減少した。 3.カンファ-のみならず,その代謝物産である5ーエクソーヒドロキシカンファ-,2,5ージケトーカンファンとノンカンファ-およびアダマンタンが,CamR蛋白質に結合する。 4.本研究班の協力(兵庫教育大・白木原康雄博士)により,CamR蛋白質の結晶化を研究中であり,この蛋白質が結晶化されやすいとの結果が得られた。また,DNAが結合したCamR蛋白質の結晶化についても検討中である。 5.CamR蛋白質のオペレ-タ-と基質の結合部位のアミノ酸配列について検討するため,変異CamR蛋白質を作製中である。 6.camR遺伝子とcamDCAB遺伝子群は,お互いに逆向きで,リプレッサ-により同時に抑制されることを確認した。CamR蛋白質をコ-ドするcamR遺伝子の転写開始点を決定した。そのプロモ-タ-活性は,シトクロムPー450camオペロンのそれの約1/5である。
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