研究課題/領域番号 |
03260202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
片山 芳文 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (20014144)
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研究分担者 |
森田 喜一郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (20140642)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 一次求心路 / 感覚ニュ-ロン / 生理活性物質 / カルシウム依存性カリウム・チャネル / 感覚情報 / 機能構築 / 化学受容性 |
研究概要 |
一次求心路の機能構築を究明する目的で、本年度は、一次求心系ニュ-ロンにおける各種生理活性物質の作用を、特にカルシウム依存性カリウム・チャネルの特性との関連に着目して検討した。カエルの後根神経節におけるC細胞において、P物質、ATP、ムスカリンは、膜コンダクタンスの減少をともない、カリウムの平衡電位の近傍に逆転電位をもつ内向き電流を惹起する事を明らかにした。これらの物質の作用は細胞外のカルシウムイオン濃度に依存し、さらにカルシウムブロッカ-で抑制されるので、カルシウム依存性カリウム・チャネルの閉鎖によって起こると推測される。モルモットの回腸に存在する腸神経系の感覚ニュ-ロンであると考えられているAH細胞におけるP物質の作用を検討した。P物質は、カルシウム依存性カリウム・チャネルが活性化される過程に作用して、カルシウム依存性カリウム・チャネルの活性化を仰制することを明らかにした。これまで、高濃度のTEAは多くの感覚ニュ-ロンでカルシウム依存性カリウム・チャネルを閉鎖することを明らかにしてきた。今回は、カエルの後根神経節で時間経過の長い後過分極を持たずカルシウム依存性カリウム・チャネルの顕著でないAs細胞(テトロドトキシン感受性の活動電位をもつ)について検討した。その結果As細胞でも、静止時に開いているカルシウム依存性カリウム・チャネルをもち、このチャネルが10mMのTEAで閉鎖されることを明らかにした。以上は全て感覚ニュ-ロンの細胞体から得られた実験結果であるが、軸索や神経末端部に存在するカルシウム依存性カリウム・チャネルが各種生理活性物質や局所環境によって制御されることは感覚情報の伝達に重要な意義を持つと思われる。
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