研究課題/領域番号 |
03261204
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大隅 良典 東京大学, 教養学部, 助教授 (30114416)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 酵母 / 性フェロモン / 伸長成長 / αファクタ- / 変異株 / 細胞の極性 |
研究概要 |
細胞の成長を理解する上で、局所的な成長の位置や極性の決定機構を解明することは重要な課題である。酵母の1倍体細胞の接合過程はこれらの有力なモデル系である。本年度は主として、性フェロモン、αファクタ-による形態変化ー突起形成に関する変異株の単離とその解析を集中的に行った。αファクタ-は10^<-8>M以上の濃度域で、相手型細胞に接合管様の突起形成ー局所的伸長成長を誘導する。このためのシグナル伝達系やその機序についてはほとんど解析がなされていない。そこでこの過程に遺伝学的アプロ-チを行った。(1).突起形成不能株は、接合過程が異常となり不稔性を示すと仮定し、人為的な選択を加えずに多数の不稔性変異株を分離し、その中で低濃度のαファクタ-作用に対しては感受性の株を選別した。その結果vaf1‐4の4つの相補性グル-プからなる変異遺伝子が同定された。vaf1変異は、高濃度αファクタ-存在下に球型の成長を続け、栄養成長時にも極性に異常が認められた。(2)第2に高濃度のαファクタ-によっても突起形成を行わない株を直接形態観察を指標として分離した。遺伝解析の結果明らかとなったppf1〜3の3つの変異株はいずれもαファクタ-存在下にG1期停止を行ない大きなゆるい伸長成長を続けることが明らかとなった。これらの株はいずれも不稔性ではなかった。 現在までに得られた4つの新しい表現型をもつ遺伝的変異株の細胞生物学的、分子生物学的な解析が進行中である。本年度の主要な設備備品として購入された位相差顕微鏡は形態的な指標にもとづく変異株の分離に極めて有効に利用された。本年度の成果は2つの論文として、現在投稿準備中である。
|