研究課題/領域番号 |
03262206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渡辺 昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023471)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1991年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 遺伝子発現 / 糖飢餓 / cDNAクロ-ニング / 光合成 / 緑葉の老化 |
研究概要 |
緑葉の老化の進行に伴って発現する遺伝子を追及する目的で、そのごく初期に発現する遺伝子を単離した。暗黒条件においたハツカダイコン子葉に発現する遺伝子のcDNAライブラリ-から比較的短時間に相補的なmRNAのレベルが大きく上昇する複数のクロ-ンを選ん結果、その一つに対応する遺伝子が細胞内の糖レベルの低下に反応すると考えられる結果を得た。そこで、その遺伝子産物の生理的な意義を明らかにするとともに、発現調節の機構を植物の持つ柔軟な遺伝子発現の一例として究明することを目的とした。 この遺伝子について、次のようなことが明らかとなった。1)暗処理開始後6時間でmRNAの蓄積が開始し、24時間後には明条件下の140倍のレベルに達するが、その後減少する。2)フィトクロムによる制御を受けるものではない。3)光合成の光反応を阻害する薬剤の処理によって強く発現する。4)これらの条件による発現はすべて低濃度の糖を与えておくことによって仰制される。5)生細胞中では代謝されないと考えられている数種の糖アナログの効果を調べたが、糖が直接的にこの遺伝子の調節に働いているかどうかは判明しなかった。6)子葉中の遊離の糖レベルは暗処理後3時間から6時間にかけて大きく低下し、時間的にこの遺伝子の発現の開始とよく一致する。7)糖レベルだけではなく高温ストレスやエチレン処理によっても発現が誘導される。8)この遺伝子のコ-ドするタンパク質は分子量23,000の電荷に富んだアミノ酸距基の多い、親水性の高いポリペプチドである。9)この遺伝子のゲノムDNAの構造解析から上流域にショウバエやダイズに見られる熱ショック遺伝子の共通配列のほか、いくつかの特徴的な配列が見いだされた。
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