研究分担者 |
桐野 高明 帝京大学, 医学部・脳神経外科, 助教授 (10161605)
中野 稔 浜松医科大学, 光量子医学実験センター, 教授 (00008236)
吉田 充男 自治医科大学, 神経内科, 教授 (70048966)
宝来 聡 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (40126157)
田中 雅嗣 名古屋大学, 医学部第二生化学, 助教授 (60155166)
|
研究概要 |
1.エネルギ-産生障害による細胞死:パ-キンソン病黒質神経細胞に複合体Iの低下のあることを免疫組織化学で証明,更に筋にも複合体I活性低下があるが,血小板,リンパ球など寿命の短い細胞では変化していないことを示した.5例のパ-キンソン病患者にてmtDNA全塩基配列を決定,多くの塩基置換を発見.これらの変異により,電子伝達系よりラジカル漏出が増加,mtDNAの酸化的損傷を惹起,点変異,欠失を誘導する可能性を示した. MELASではmtDNAのtRNA^<Leu(UUR)>遺伝子(塩基番号3243)の点突然変異を40名中32名に発見,残る8名中3名でこれと異なる塩基番号3271のTからCへの点突然変異を発見.更にミスマッチプライマ-法を用いたPCR法により簡便なDNA診断法を開発した. 2.内因性・外因性毒性物質による神経細胞死:1MeTIQが脳内在性物質として存在,MPTP毒性に拮抗すること,Parkinson病で減少していることを明らかにした.一方TIQは黒質神経細胞障害を起こすことを示した. 3.フリ-ラジカルによる細胞障害:MCLA試薬を用い,虚血障害の際浸潤する白血球の出す化学発光をin vivoで捉え,間接的に好中球を算出する方法を開発,又組織片に対する高感度定量法を開発.又培養細胞を用いFe‐ADPとメラニンがsuperoxide anionを介し脂質過酸化を起こす事を示す. 4.興奮性アミノ酸及び虚血による細胞障害:カイニン酸誘導体を合成,既知の興奮性アミノ酸を凌ぐ強力なグルタミン酸アゴニストを発見.又海馬遅発性神経細胞死で細胞内カルシウムイオンが高いレベルで動揺していることを明らかにし,短時間の脳虚血は神経細胞に虚血耐性を誘導,同時にストレス蛋白が発現すること,耐性の発現した細胞では蛋白代謝回転が良好であることを証明した.
|