研究課題/領域番号 |
03265215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
田中 あけみ 大阪市立大学, 医学部, 助手 (30145776)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | βーヘキソ-スアミニダ-ゼ / TayーSachs病 |
研究概要 |
TayーSachs病は、βーヘキソ-スアミニダ-ゼのαサブユニット遺伝子の異常によりおこる単ー遺伝子病である。日本人のTayーSachs病患者17例についてこの遺伝子を解析した。 [対象と方法]酵素活性よりTayーSachs病と診断された17例について13例は培養皮膚繊維芽細胞を、1例は培養リンバ芽球を、3例は剖検肝を検索の材料とした。3例については両親も検索した。症例はすべて血族結婚の家族歴はなく、症例間の血縁もない。臨床型は全てinfantile formであった。皮膚繊維芽細胞、リンパ芽球は各々通常の方法で培養した。1例についてtotal RNAを抽出し、RTーPCR(reverse transcriptationーpolymerase chain reaction)を行った。全例についてgーDNAを抽出し、PCRを行った。PCR産物をpUC18/19にクロ-ニングし、2本鎖のまま上流、下流の両測からサンガ-法にて塩基配列を決定した。PCR産物をメンブレンフィルタ-にブロットし、 ^<32>PでラベルしたASO(allele specific oligonucleotide)をブロ-プとし、変異遺伝子をスク-リングした。 [結果]1症例についてRTーPCRを行いαサブユニットのcーDNAを得たところ、正常長より約100bp短いものが得られた。この塩基配列を調べた結果、エクソン6の完全欠失を認めた。そこで、エクソン6の5'側、3'側のイントロンとの接合部を含む部分をPCRで増幅し、塩基配列を求めたところ、イントロン5の3'末端の塩基GがTに変異していることが発見された。そこで全ての患者について同じ変異の有無をASOを用いてスクリ-ニングした結果、10例がこの変異のホモ接合体患者、6例がヘテロ接合体患者であった。すなわち、変異対立遺伝子の76%に同じ変異が見つけられた。また、ホモ接合体患者とヘテロ接合体患者との間に臨床症状の差異は無く、ホモ接合体患者の地域的偏りも無かった。
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