研究概要 |
(1)in vitroで培養中,Ig遺伝子の再構成を起こす未熟Bリンパ球細胞株から,核タンパクを抽出し,Ig遺伝子の7mer(CACAGTG)23bpー9mer(ACAAATACC)のrecombination signal sequenceを結合させたDNA affinityカラムを用いて,DNA binding proteinを精製→A.A.配列の決定→oligonucleotideの合成と,それを用いたcDNAクロ-ンの単離を行なった。このcDNAクロ-ンは,270コのアミノ酸をコ-ドし,in vitroでのSV40 semiーconservativeなreplicationに必要なhuman replication protein A(RPーA)と,同一のアミノ酸数及び,アミノ酸レベルでの87%のhomologyをもっていた。現在,詳細な機能を解析中であるが,preliminaryなdataでは,DNA polymerase αの活性を上げるように思われる。RPーAが,excision repairにも関与していると考えられているので,recombinationへの何らかの関与があってもおかしくないと思われる。今後,この点を見きわめる実験をしたい。(2)温度感受性変異Abelsonマウス白血病ウイルスでトランスフォ-ムしているため,非許容温度である39℃で培養すると,一斉にIg遺伝子の再構成が誘発される未熟Bリンパ球細胞を,39℃で1週間培養した時点で,cDNA libraryを作製し,Abelsonウイルスでトランスフォ-ムしたfibroblast,欠いで,最終分化したプラズマ細胞からのmRNAでsubtractionを行ない,再構成に特異的に働くcDNAクロ-ンの単離を行なった。subtractionの結果,いくつかのcDNAクロ-ンが得られた。そのうち1つのcDNAクロ-ン(SPL212ー1)は,リンパ球にspecificに発現し,プラズマ細胞にまでterminal differentiationすると発現しなくなる。SPL212ー1クロ-ンの機能解析は,knocked out mouseを作製して,決めたいと考えています。
|