研究課題/領域番号 |
03267213
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
飯田 滋 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (30012777)
|
研究分担者 |
宮崎 力 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (40190764)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 高等植物 / 転移因子Ac / Ds / トランスジェニック植物 / 植物バイオテクノロジ- / 非相同性組換え / DNA再編成 / 形質転換 / トランスポゾン |
研究概要 |
トウモロコシの転移因子Acは4.6kbの因子で自ら転移するのに必要な転移酵素遺伝子を持っているが、大部分のDsは転移酵素遺伝子中に欠失を持った因子である。本研究ではAcやDsを含む種々のプラスミドベクタ-を異種植物のタバコやイネに導入、トランスジェニック植物体での、種々のAc/Ds誘導体の転移能や転移後の植物染色体上の挿入部位の構造解析を行い、導入転移因子の転移機構や植物染色体上でのDNA再編成、さらには植物遺伝子発現への影響などを解明せんとするものでる。Acの転移酵素遺伝子とDsが脱離するとHm^rとなるようなhph遺伝子をイネ及びタバコのプロトプラストに同時に直接法で導入、Hm^r形質転換体を分離、トランスジェニック植物を作出して導入外来遺伝子の植物染色体への挿入を検討すると、(a)hphだけ、(b)hphとDs、(c)hphと転移酵素遺伝子、(d)hph、Ds、転移酵素遺伝子の三者を持つものに大別された。これらの内で(b)hphとDsだけの植物体は全体の約1/3を占め、これらのDsは染色体上に安定に保持されていた。そこで、自家受粉してhphとDsの次世代での分離を検討した所、hphとDsは多くの場合別々の染色体に挿入されていた。イネの一系統についてさらに詳細な構造解析を行った所、hphとは別の染色体に挿入されていたDsは一過性の発現により生じた転移酵素の作用により転移挿入されたものと考えられる結果を得た。これはAc/Dsの転移はDNA複製と関連があり同一染色体上の近傍に転移するという従来の遺伝学的知見からみてたいへん興味ある結果であり、染色体上にあるAc/Dsの移転と直接法により導入されたAc/Dsの転移機構の相違を考える上で重要な実験結果かと思われる。なお、(d)のhphと共にDsと転移酵素遺伝子が共存する植物体中では、Dsは不安定で転移酵素の作用により再転移を引き起こしており、somatic transpositionもgerminal transpositionも観察された。
|