研究課題/領域番号 |
03268211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊島 秀男 東京大学, 医学部(病), 助手 (20197966)
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研究分担者 |
萩原 弘一 東京大学, 医学部(病), 助手
宮川 清 東京大学, 医学部(病), 助手 (40200133)
山田 信博 東京大学, 医学部(病), 助手 (40200729)
宮園 浩平 東京大学, 医学部(病), 助手 (90209908)
平井 久丸 東京大学, 医学部(病), 講師 (90181130)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 血小板由来血管内皮細胞増殖因子 / 血管内皮細胞 / 血管新生 / 肝臓 |
研究概要 |
血小板由来血管内皮細胞増殖因子(PD‐ECGF)は、我々のグル-プが血小板より同定した血管内皮細胞増殖因子である。in vitroにて血管内皮細胞の増殖と遊走を促進しin vivoにおいて血管増生を誘導することから新規の血管新生因子として悪性腫瘍の腫瘍血管の増生、動脈硬化の発症等との関連に興味がもたれている。平成3年度においては、我々は、本因子のin vivoにおける生理的意義を解明する目的で本因子のマウスにおける相同遺伝子の解析を行なった。その結果、マウスPD‐ECGFは471a.a.よりなり、ヒトPD‐ECGFとのアミノ酸レベルでのホモロジ-は全体を通して約80%で極めてよく保存されていることが明らかになった。また、マウスPDーECGFも、ヒトPD‐ECGFと同様に、シグナルシ-クエンスを持っていないことも明かとなった。得られたマウスPD‐ECGF cDNAをプロ-ブとしてマウスにおける本因子の臓器別発現を検討した所、肝臓において大量に発現がみられたが、他の臓器ではその発現は感度以下であった。又、ヒトにおいても、正常肝組織および5株中3株の肝癌細胞株において本因子が発現していることが明かとなり、ヒト肝組織切片における免疫組織染色を行なった結果、本因子は肝実質細胞において産生されていることが明かとなった。更に、解析の結果、PD‐ECGFは、肝癌細胞株であるHuH7、あるいはマウス正常肝細胞由来の細胞株であるMLEC、さらに正常ラット肝細胞の初代培養細胞に対して増殖刺激活性を持つことが示唆され、本因子が肝臓において、肝実質細胞のautocrineの増殖因子として重要な役割を果たすとともに、肝癌の発症と関連している可能性も示唆された。また、ヒトPD‐ECGFのELISAによる測定系の確率にも成功し、現在種々の疾患おける血中濃度とうを検討中である。
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