研究課題/領域番号 |
03268224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
友池 仁暢 山形大学, 医学部, 教授 (90112333)
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研究分担者 |
小熊 正樹 山形大学, 医学部, 助手 (10160821)
太田 郁郎 山形大学, 医学部, 助手 (70143097)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 心内膜内皮細胞 / 内皮細胞由来弛緩物質 / 冠循環 / 高脂血症 / 血管抵抗 / 一酸化窒素 |
研究概要 |
冠血流量は心筋の酸素需要に応じ遅滞なく調節されている。冠血管床における内因性の調節物質としてアデノシン等が重要な役割を演じていると考えられてきたが、その遊離機序や物質的同定は必ずしも明らかでなかった。本研究では冠循環の局所で産生・遊離される内因性血管抵抗調節因子の性質を定量的に解析するための実験系の確立を試みた。 家兎の心臓を摘出しランゲルドルフ潅流心標本を作製した。潅流液は37℃の酸素化した電解質液(Krebs‐Henseleit)を用いた。冠動脈を70mmHgの圧力で潅流し、冠血流量は大動脈基部に装着した電磁流量計で測定した。冠血管床で産生された内因性の収縮・弛緩物質の量や生理・薬理学的特徴はその生物活性を計測し解析した。すなわち、冠血管床を潅流した電解質液を肺動脈より流出せしめ、これを恒温・恒湿チャンバ-内に懸垂した血管平滑筋標本に表面潅流し、平滑筋標本の弛力変化を計測することによって内因性弛緩物質の生物活性を測定した。血管平滑筋標本は家兎の大腿動脈から作製し、内皮細胞は機械的に剥離した。センサ-となる本標本はsuperoxide dismutase(SOD)100U/ml、acetyl‐choline(ACh)10^<-6>Mにより弛緩しないことを確認した上で生物活性の検出に用いた。冠血管床からの内因性弛緩物質の検出を容易にするため血管平滑筋標本をフェニレフリンで持続性に収縮させた。 1.基礎冠血流量は47±8ml/mであり、メスシリンダ-での計量値と一致した。測定に供した2時間の間、安定した値を示した。 2.冠血管床を通過した潅流液のみでは血管平滑筋は弛緩しなかった。SODを潅流液中に投入すると初めて弛緩が生じた(基礎遊離)。本現象はメチレンブル-を平滑筋標本に滴下しながら行うと抑制された。 3.SOD存在下にAchあるいはbradikininを潅流液に投入したところ、何れも用量依存性に平滑筋標本を弛緩した(刺激による遊離)。
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