研究課題/領域番号 |
03268233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
古家 園子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (20096952)
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研究分担者 |
古家 喜四夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40132740)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 毛細血管内皮細胞 / 腎糸球体 / 肺胞 / 小腸 / エンドセリン / 電顕オ-トラジオグラフィ- / Furaー2 |
研究概要 |
血管内皮細胞は脈管の種類(動脈、静脈、毛細血管)や臓器によって多様な形態を示し、以前から機能と形態の強い相関が指摘されてきた。私達は血管内皮細胞が産生する強力な血管収縮物質、エンドセリン(ETー1)を ^<125>Iでラベルし、ラットに静注して経時的に潅流固定し電顕オ-トラジオグラフィ-にてその結合部位を観察したところ、 ^<125>IーETー1は腎糸球体の窓あき内皮細胞や尿細管に沿った窓あき型毛細血管内皮細胞、肺胞の薄い毛細血管内皮細胞の細胞膜に特異的に結合することを見いだした。他の閉じた毛細血管内皮細胞では ^<125>IーETー1の結合はわずかであり、動脈の内皮細胞には結合は認められなかった。又、脈管の太さや種類の違いだけでなく、同じ様な形態の毛細血管内皮細胞であっても臓器によってET受容体の密度分布が実に多様であることが明かになった。更に、私達は高密度にET受容体を持っていることが明らかになった肺胞の内皮細胞を培養し細胞内Caの変動をfuraー2を用いて調べた。肺由来の細胞は大部分がブラジキニンに反応し、細胞内Ca濃度が一過性に上昇した。動脈由来と思われる敷石状の内皮細胞はETー1にもサブスタンスPにも全く反応しなかった。毛細血管内皮細胞と思われる細長い内皮細胞はサブスタンスPに反応したがETー1には反応しなかった。ETー1に強く反応した細胞はDiIーacetylated LDLを取り込まず、細胞種の同定を必要としている。 高密度にET受容体(恐らくETbタイプ)を持つ腎糸球体の窓あき型毛細血管内皮細胞や肺胞の毛細血管内皮細胞は物質透過能やガス交換の盛んな特殊な内皮細胞の為、その表面積の変動は物質透過能や血流、血圧の変動を意味する。ETが腎糸球体や肺胞の毛細血管内皮細胞にどの様な生理的な作用を引き起こしているのかについてはこれらの細胞の培養法を更に改良しながら進めていくつもりである。
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