研究課題/領域番号 |
03268236
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
尾西 裕文 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 部長 (80092542)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 平滑筋ミオシン / ミオシン重鎖 / リン酸化軽鎖 / 化学架橋法 |
研究概要 |
血管平滑筋は、血管内皮から放出される収縮誘引物質や弛緩誘引物質に応答して、収縮や弛緩を起こす。この内皮平滑筋連関を理解するためには、タ-ゲットである平滑筋収縮弛緩の調節機構を明らかにすることがまず大切であろう。 最近15年間にわたる生化学的研究から、ミオシン軽鎖のリン酸化が平滑筋収縮のトリガ-になることは明らかになった。しかしながら、リン酸化によって、ミオシン頭部構造にどのような変化が起こるのかはまだ殆ど明らかになっていない。研究の遅れている原因の一つには、アクチンと結合したミオシンの構造研究の難しさがある。我々は、化学架橋の手法を用いて、この難問を解決し、機能調節に重要なミオシン頭部領域の発見とその位置の同定に成功した。 1.平滑筋ヘビ-メロミオシンとアクチンがrigor複合体を作った時、二つのミオシン頭部は互いに異なる特定の領域を介して接触しており、zeroーlength化学架橋剤で処理すると二つのミオシン頭部の間に架橋ができることを発見した。この発見は、ミオシンがアクチン繊維上を滑る時には、ミオシンの二つの頭部間には何らかの機能的つながりがあるかもしれないという可能性を示すものである。ミオシンの二つの頭部は全く独立の収縮モ-タ-として働くと従来の収縮機構では考えられていたので、別の可能性を示す結果として興味深い。 2.ミオシンの機能調節サブユニットであるリン酸化軽鎖のこの分子上の位置を正確に知ることは、ミオシンのリン酸化による平滑筋収縮の調節機構を明らかにする上で非常に大切である。我々は平滑筋ミオシンサブフラグメントー1(頭部断片)をzeroーlength化学架橋剤で処理すると、ミオシン重鎖とリン酸化軽鎖の間に架橋が起こることを発見した。この架橋部位の一次構造解析から、リン酸化軽鎖はミオシン頭部と尾部のジャンクションと結合していることが明らかになった。
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