研究課題/領域番号 |
03269219
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
竹門 康弘 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (50222104)
|
研究分担者 |
谷田 一三 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (20167505)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 魚類 / 底生動物 / 群集過程 / 生息場所改変作用 / 捕食者ー被食者関係 / 社会構造 / 琵琶湖 / タンガニイカ湖 |
研究概要 |
捕食者が、摂食によって直接的に餌動物群集に影響するだけではなく、社会行動・採餌・繁殖の過程で生息場所の量や質を変えることによって間接的に下位群集に作用することは多くの群集に起こりうる。本研究は、タンガニイカ湖と琵琶湖の魚類・底生動物群集を対象に、1)生息場所条件を介した下位動物群集への影響を量的に評価し、2)魚類の社会構造や摂餌生態と餌動物群集との相互作用の機構を探究するものである。今年度は、琵琶湖北湖の大浦と菅浦の水深1〜25mに調査区を設け、底生動物の分布・生息密度調査、ディマ-ジェンストラップ調査、人工基盤移入実験、ライトトラップ調査、魚類センサスなどを実施した。従来、琵琶湖において、潜水による採集・観察はほとんど行なわれていなかったが、本研究では新しく開発した器具や方法により以下の成果が上がっている。 石表面の底生動物は石単位定量採集で、砂泥中に生息する種類はコアサンプラ-で毎月採集した。両サンプルを深度別・底質別に集め、底生動物の分布・生息密度・微生息場所などの資料を得た。菅浦では、底質・水草・海綿類・藻類の分布が岸際から深場にかけて帯状に変化しており、これに対応した底生動物のゾ-ネ-ションがみられた。夏期には、水深15m前後の水温躍層に沿って軟質の淡水海綿が底質を覆っており、この海綿中にはクロスジヒゲナガトビケラとトゲモチヒゲナガトビケラの幼虫蛹が多数発見された。また、水深5m以浅の大きな石の裏ではコエグリトビケラ(琵琶湖固有の未記載種)が集合して前蛹で越夏していた。1月になると、淡水海綿帯の規模は縮小した。また、この時期には、沿岸帯の全域にわたり多数のヨコエビJesogammarus(Annanogammarus)spp.が出現した。これらの資料は、底生動物の分布・生活史情報としてのみならず、魚類との相互関系を調査する際の基礎資料として利用する予定である。
|