研究課題/領域番号 |
03299106
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀田 凱樹 東京大学, 理学部, 教授 (30010036)
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研究分担者 |
西賀 秀俊 産業医科大学, 医学部, 講師 (60131918)
山崎 常行 九州大学, 理学部, 教授 (10108649)
岡田 益吉 筑波大学, 生物系, 教授 (60015534)
西田 育巧 愛知ガンセンター, 放射線部, 部長 (50107059)
西郷 薫 東京大学, 理学部, 教授 (50136454)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1991年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / Pーエレメント / エンバンサ-トラップ / 神経分子生物学 / 筋蛋白遺伝子 / ホメオボックス / 細胞情報伝達 |
研究概要 |
ショウジョウバエの分子生物学および細胞工学技術の改良と新しい技術発展をはかる研究では、この「ショウジョウバエ」重点領域を核にショウジョウバエの独特な技術を利用して研究する研究者が急増したので、東大の堀田研および愛知ガンセンタ-の西田研を中心として、班員およびそれ以外の研究者からの要望に応えて、ショウジョウバエのゲノムDNA及びcDNAの供給を行なった。また、重点領域研究期間中に特に発展した研究に取りまとめとしては、視覚系(複眼光受容器)突然変異(堀田、井上、鈴木、西郷、戸張、磯野、三宅)、味覚系(谷村、磯野)、筋遺伝子突然変異とその発現解析(堀田、最上、香川)、トランスポゾン転移機構の解析(西郷、堀田、三宅、山崎)、発癌遺伝子の細胞内情報伝達機構との関連の突然変異解析(西田)などの研究に大きな発展があった。特に感覚系の受容器における細胞内情報転換の機構を分子生物学的な新しい方法論で解明し、その遺伝子としてフォスフォリパ-ゼC(norpA)およびジアシルグリセリドキナ-ゼ(rdgA)のクロ-ニングに成功した。P因子の転移に関しても、本研究で開発した単一P因子転移実験系を利用して転移の際におこる分子レベルでの変化を解析した。その結果、P因子の切出しと転移との独立性を証明するとともに、挿入は比較的正確に起こるが、切出し時にはそこに余分な塩基配列の挿入・残存が起きることを示した。また、本研究で大きく発展した培養細胞系を利用した神経・筋の致死遺伝子の解析を引き続き行い、とくにニュ-ブラスト分化に関連する遺伝子・中胚葉と外胚葉との分化に直接関連する遺伝子1(2)KN13についてのその初代培養系での遺伝子発現を詳しく解析するとともに、P因子挿入アレルを誘発し、その領域のクロ-ニングに成功した。そこで得られた興味深い遺伝子のクロ-ニングのために、P因子エンハンサ-トラップ法の改良(堀田、最上、谷村、鍋島)を行った。この系を利用してこれまでさらに多くの神経系などの分化関連遺伝子を同定した。また同じ系を用いてエンハンサ-トラップ法を行い、成虫原基などで興味深いパタ-ンで発現する遺伝子の新しい同定法を工夫した(鍋島、三宅、堀田、谷村)。 これらの研究の取りまとめのために、欧州ショウジョウバエ会議・米国ショウジョウバエ会議・コ-ルドスプリングハ-バ-研究所集会など国外の関連学会に積極的な発表を行なうとともに、遺伝研研究集会・分子生物学会シンポジウム・基生研コンファレンス、日米組換えDNA会議などに多数の外国人研究者を集めてデ-タや研究情報の交換を行なった。また電子化された突然変異・クロ-ン・P因子挿入系統などのリストを堀田と最上が取りまとめて班員の希望者に配布した。
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