研究課題/領域番号 |
03301012
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 九州女子大学 |
研究代表者 |
成瀬 悟策 九州女子大学, 学長 (80037027)
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研究分担者 |
藤岡 孝志 山形大学, 教育学部, 助教授 (30199301)
針塚 進 九州大学, 教育学部, 助教授 (50113973)
入江 建次 九州女子短期大学, 教授 (10099707)
鶴 光代 福岡教育大学, 助教授 (00036899)
大野 博之 九州大学, 教育学部, 教授 (00037037)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1992年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1991年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 臨床動作法 / 高齢者臨床 / 治療体験 / 現実体験 / 現存在感 / 現在体験 / 援助者への「お任せ」 / 緊張・動作の「かたさ」 / 動作法 / 課題動作 / 自己弛緩 / リラクセイション / 自体感 / 自己制御 / 生きる実感 |
研究概要 |
わが国オリジナルとして開発・発展してきた「動作法」は、始め脳性マヒの子の肢体不自由改善に予想外の成果を挙げたが、その後自閉・多動その他諸種の障害児の指導・訓練、精神病・神経症の心理療法などへ適用してその顕著な有効性がこの三十数年間精力的に実証されてきた。その開発の途上、ことにリラクセイション、動作訓練、カウンセリング、心理療法などの先導的試行の結果、高齢者では子どもや青壮年に比して、動作法がことのほか有効・有用であろうと予想されるに到った。高齢化が急速に進んでいるわが国において、心理臨床の分野での対応・研究が極めて貧困な現状からすれば、高齢者臨床における動作法の位置づけは極めて重要かつ有望なものと思われる。本プロジェクトはその目的で体系的に特設された最初の研究である。 いちおう健常とされる普通の人から軽度・重度を問わず高齢者の持つさまざまな心理的問題、特に不当緊張、姿勢、言語障害、ボケ、肢体不自由、脳卒中後遺症、神経症、精神病などについて、動作法によるリラクセイション、課題動作、カウンセリング、姿勢指導、言語療法、心理療法、自己コントロール法、スポーツなどを試みて、それぞれに有効、有用、有益なことが確かめられた。 動作過程として現れる高齢者の心理的特性として緊張、動き共に"かたさ"、偏り、固執傾向、システム不活性、外界への不注意、ステレオタイプ、現実逃避、予期不安等が顕著なため、高齢者に必要・有効・有用な体験として現実体験、生の実感、現存在感、現在体験、チャレンジ意欲などが挙げられ、それらいわゆる治療体験のために動作法が極めて有力・有効なことが実証された。ことにクライエントがカウンセラーないし治療者の援助を受け入れ、「お任せ」の関係ができ、お任せ脱力に近づく程有効なことが分かってきた。
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