研究分担者 |
大沢 善信 (大沢 喜信) 金沢大学, 教育学部, 助教授 (10213688)
京谷 栄二 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (90195397)
大野 晃 高知大学, 人文学部, 教授 (00117003)
宮川 実 東京女子大学, 文理学部, 教授 (40086319)
島崎 美代子 (島崎 美千子) 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (60076180)
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研究概要 |
1.本研究の中心課題は、特に1980年代以降の日本社会における都市と農村との関係性を把握する理論的枠組みの構築にあった。そのため第一にこの課題に接近するため国内、国外の理論的研究の検討をおこない課題研究の理論的視点を明確にすること,第二に日本社会の都市と農村間の関係の今日的特質を現地調査により明確にすること,この2点について共同研究を重ねた。 2.第一の点について。現代社会の特質について留意すベき理論的視点として検討したのは次のような理論的視点である。(1)ウオーラーシテインの世界システム論,(2)フランス・レギュラシオン派の諸理論,(3)第二の産業分水嶺を主張するピオーレとセーブルの研究グループの視点など。しかしこれらの理論についても、都市・農村関係の新局面を把握する視点として展開するためにはさらに検討を深める必要のあることを確認した。また今日の資本主義社会を高度資本主義社会として把握するため地域社会構造,地域文化などに新たな視角からの研究がもとめられること,ボーダーレスの地域交流の評価の基準の再検討の必要を確認した。 3.現地調査対象地として三地域を選び地域ごとに分担調査を行った。岐阜県内の中津川・恵那広域行政圏内の市町村,新潟県内の新潟市を中核とする新潟市広域行政圏内の市町村,高知県山村の三地域である。資料収集及び聴取調査により次のような知見が得られた。(1)地域住民の生活圏は生活関心の多様化にともない重層的かつ不均等に展開し,都市・農村間の新たな関係形態が出現している。(2)自治体間の広域行政は各自治体行政の補完的機能を基軸としつつも、圏域の再編,自治体間の機能分担の在りかたなどにつき新たな展開が要請されつつある。(3)定住社会としての地域形成にあたり自治体連合の新たな形態がもとめられつつある。
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