研究課題/領域番号 |
03301066
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
須永 醇 法政大学, 法学部, 教授 (70061059)
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研究分担者 |
春田 一夫 九州国際大学, 法経学部, 学部長 (80140820)
菱木 昭八朗 (菱本 昭八朗) 専修大学, 法学部, 教授 (30083546)
新井 誠 国學院大学, 法学部, 教授 (40146741)
小林 秀文 中京大学, 法学部, 教授 (20121395)
小林 一俊 亜細亜大学, 法学部, 教授 (20050205)
奥山 恭子 帝京大学, 文学部, 助教授 (50214086)
前田 泰 徳島大学, 總合科学部, 助教授 (40209391)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 無能力者 / 意思能力 / 行為能力 / 責任能力 / 禁治産 / 準禁治産 / 後見 / 保佐 / 禁冶産 / 無能力制度 / 禁治産者 / 準禁治産者 / 後見・保佐 / 持続的代理権 / 成年者世話法 |
研究概要 |
日本の「無能力」制度(民法3条以下)は、現行民法典が施行された明治31年以来、妻の無能力制の廃止、準禁治産者について「聾者、唖者、盲者」を当該制度の対象から外しただけの改正(昭和54年)を受けただけで今日に至っている。ところが、この日本の制度を、近時その改正を相次いで実現したヨーロッパ諸国法(フランス、ルクセンブルク、オーストリア、ドイツ、ベルギー等)のそれと比較するとき、次の諸点においてその立法的改正が必要である。すなわち、 1.日本の制度は、成年の「無能力者」を後見人によって代理されるだけの禁治産者と保佐人によって重要な行為につき同意されるだけの準禁治産者との2類型に分けているだけなので、要保護成年者の精神状態、財産構成、家族関係等に応じた木目細かな対応が不可能である。より弾力的な制度の同意される必要がある。 2.日本の制度は、身体に欠陥があって財産管理・身上監護につき保護・援助を必要とする者に対する措置・手段を用意していない。 3.能力の剥奪・制限は、本人の保護に役立つ一面のほかに、一般社会生活・取引界から本人を隔離する結果をもたらすから、その採用には慎重な配慮が必要である。ところが、日本の制度では、能力の剥奪・制限イコール本人保護という短絡な態度が採られている。能力の剥奪・制限を受けない被保護成年者類型も考案されるべきである。 4.日本の制度は、本人・利害関係人等からの申立に基づいてのみ発動する形になっているが(申立権者の中に検察官が加えられているが実際には機能していない)、これでは本人保護に十分でない。ぜひとも国家・公共団体の関与(特に家裁の職権による手続開始の措置)の積極化が必要である。 成年の「無能力」に関する法制度は全面的な再検討を必要とする。
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