研究分担者 |
藤井 正 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (20165335)
日野 正輝 東北大学, 理学部, 助教授 (30156608)
林 上 名古屋大学, 教養部, 教授 (10097686)
西原 純 長崎大学, 教育学部, 助教授 (30136626)
富田 和暁 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (90116228)
|
研究概要 |
本研究は,わが国における各階層の都市がそれぞれの日常的都市システムや地域的都市システムのなかで,どの様な変化を遂げ,わが国の国家的都市システムが全体としてどのような方向に発展しつつあるかを明らかにすることを目的としたものである。 都市の人口増減や人口移動状況をみると,わが国では欧米諸国にみられたような反都市化現象は認められない。その原因について十分明らかとはいえないが,いまだに東京への集積が行われる。都市の階層構造は一層顕在化の方向にあり,大都市圏を単位とした都市階層システムの中では,東京圏の位置が一層上昇しており,特に事業所サービス業の集積においては上位都市と下位都市との間に著しい格差が生じている。 東北地方と北海道をフィールドとした支店配置については,仙台も札幌も地方全域をテリトリーとする支店の集積によって中心都市としての地位を高めていることが確認された。県域中心都市には仙台企業の支店が進出し,両都市間の階層的結合関係を強めている。一方,都市システムの構造的変化は通勤圏の拡大と重層化にも現れている。都市の通勤圏の変化は都市通勤圏外の山村にも変化をもたらし,広島市との関係において地域分化がみられるようになった。 産業構造の変化は地域構造に投影され,名古屋では工場の移転跡地に店舗やオフィス,住宅などが建設された。大阪大都市圏において郊外地域が中心都市から独立して周辺核を形成していることが明かとなった。
|