研究分担者 |
柳沢 幸男 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70021160)
大西 敏夫 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (20027874)
平田 豊 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50113866)
久野 勝治 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70092484)
本間 慎 東京農工大学, 農学部, 教授 (70014941)
|
研究概要 |
研究課題にもとずき1991および1992年に行った各分担者の研究成果は次の通りである。 押金は、クワ主要品種およびコウゾの葯培養について、低温処理を加えた前培養の後WH,MS,B_5培地にオーキシンとサイトカイニンの濃度別組合せによる本培養を行った。その結果、クワでは胚様体形成への肥大化のみ認められたが、コウゾにおいては胚様体および不定芽の形成が観察された。 本間は、クワのシュート培養におけるCdとNiの化学耐性について実験を行い、高濃度(10^<-4>M)から低濃度処理(5×10^<-7>M)へ移植する場合と、その逆の場合とについて比較検討した結果、高濃度から低濃度の場合は耐性が現れず、低濃度から高濃度処理のとき、とくにNiに高い化学耐性が認められた。 久野は、クワカルスの生長に及ぼす重金属の影響を検討した。MS培地にCd,Tl,Se,Te,Fe,MnおよびCoの各濃度別元素を加え、カルス増殖の阻害度を調べた結果、10^<-6>M区ではCd>Se>Tl>Teの傾向に、10^<-5>M区ではCd>Tl>Se>Teであった。またFe50ppm,Co10ppm区では増殖を抑制し、FeおよびCo添加区ではカルス中のFe,Co濃度が対照区に比べ著しく増加した。 平田は、簡便な非培養系によるクワへの遣伝子導入系を確立するため、クワ催芽種子とアグロバクテリウムとの共存培養を行った。その結果、若干個体のカナマイシン添加培地で、共存する実生が得られた。 大西は、クワ下胚軸由来遊離細胞の培養条件について検討した結果、LS培地を基本にP_2O_5濃度を2倍にし、これに10^<-5>M2,4-D,10^<-7>MBA,0.1Mスクロースおよび4mL/20mLの中古培地を加えた培地を用い、28℃暗で、70回/分の往復振盪によるバッチ培養をすることにより不定根を活発に誘導させ、生長を続けることができた。 柳沢は、クワの主・側根および葉から抽出したサイトカイニンを薄層クロマトで分離し、各ピークのサイトカイニンをMS培地に一定量加えカルスを培養した。その結果、葉から抽出したサイトカイニン、とくにゼアチン部分が最もカルス増殖を促進した。
|