研究課題/領域番号 |
03304027
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
黒島 晨汎 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90002774)
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研究分担者 |
吉田 俊秀 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60079770)
堀 哲郎 九州大学, 医学部, 教授 (00022814)
嶋津 孝 愛媛大学, 医学部, 教授 (30090400)
杉原 甫 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50039509)
金村 秦輔 関西医科大学, 医学部, 教授 (50027091)
村上 悳 山口大学, 医学部, 教授 (90040518)
永坂 鉄夫 金沢大学, 医学部, 教授 (80023646)
入來 正躬 山梨医科大学, 医学部, 教授 (90072967)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1991年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 褐色脂肪組織 / 寒冷馴化 / 非ふるえ熱産生 / 肥満 / 脂質代謝 / 交感神経 / 視床下部 / 脂肪細胞培養 / 脂肪合成 / 一酸化窒素 / インスリン / ノルアドレナリン |
研究概要 |
熱産生器官・褐色脂肪組織(BAT)の意義を明らかにするべく、この3年間に次のような基本課題に沿って研究を行った。1.BATの細胞組織学的特性 2.BATの中枢性及び末梢性調節機構 3.BATの病態生理 4.BATの生態.その結果下記に述べるような多くの新しい知見が得られた。松果体によるBATの促進的調節機構のの存在が示された。細胞内カルシウムの流入とノルアドレナリンの関係が明らかにされた。BATの神経支配の伝達物質にノルアドレナリン以外にニューロペプチドY,P物質のあることが確認された。BATミトコンドリア内膜のCl,Kチャンネルの存在が示唆された。コラーゲン・ゲル三次元培養により褐色細胞の分化・増殖をin vitroで再現した。脳にBATの脂肪合成を促進する新しい因子が見い出された。サイトカインのIL-1,TNFが視床下部ニューロンに働きBAT熱産生を促進的に調節していることが示された。IL-1の作用はCRFを介することが示された。寒冷馴化はBATのインスリン受容体を減少させるが、BATインスリン含量は増加させる。またガングリオシドGM3が増加するなどBAT機能調節の多様性が示された。BATの血流量と熱産生に一酸化窒素が情報伝達因子として関与していることが明らかにされた。ヒトの肥満にBATの熱産生の障害の関係していることが示唆された。野生動物のBATは食性、環境温度、圧環境によって異なった化学組成の変化を示すことが示された。以上各分担課題はいずれもおおむね目標は達成されたと考えられる。またBATは体温調節性熱産生のみならず、エネルギー代謝、ストレス反応など生体の重要な適応の機能にかかわっていることが認識され、BAT研究の重要性が認識された。そして今後これらの成果と知見をいかに発展させるか、また共同研究への発現の可能性などについて討議がなされたことによりBATに関する本総合研究の意義は充分に果たされたものといえる。
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