研究概要 |
本研究は、外国人子女が日本の学校生活に慣れるまでの日本語教材の開発を目的としている。教材の開発にあたっては,ブック教材を基本としたが,多様なニーズに対応するため,英語・中国語・スペイン語に対応したマルチメディアによるCAIシステムを部分的に試作した。本年度については,次のように作業を進めた。 1.ブック教材の開発 昨年度検討した5課分に引き続き,残り5課分について,会話表現・語い・解説事項・翻訳などの検討を行った。翻訳上の問題点については,英語・中国語・スペイン語のそれぞれについて,報告書の中に盛り込むこととした。 2.イラスト及び音声素材の作成 算数の場面について,CAIソフトウェアに組み込む文字素材・音声素材(日本語会話とその英・中・スペイン語訳の録音)・イラストの作成作業を行った。 3.CAIソフトの開発と評価 文字素材・音声素材・イラストをもとに,マルチメディアによるCAIソフトウェアの改訂版作成作業を進めた。そして,ほぼ完成段階に達したものを外国人子女受入校で試用してもらい,児童と教師から意見を聴取した。 4.報告書の作成 2年間の研究成果を報告書にまとめた。報告書には,研究組識,研究経過,教材の構成とねらい,英語・中国語・スペイン語を母語とする学習者に対する日本語指導上の問題点のほか,ブック教材とCAIソフトウェアの内容を盛り込んだ。
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