研究分担者 |
大道 久 日本大学, 医学部, 教授 (60158805)
紀伊國 献三 東京女子医科大学, 客員教授 (10114068)
里村 洋一 千葉大学, 医学部・附属病院, 教授 (10009582)
開原 成允 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30010234)
鈴木 章夫 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40090584)
|
研究概要 |
3年の研究期間の前半は,主として医学部卒業直後の初期研修のありかたについて,検討を行った.卒後研修については,インターン制度が廃止された直後から,関係者の間で,しばしば議論されてきたところであるが,具体的な改善がなされなかったことから,本研究では,具体的に実行可能な方法論に焦点を絞って討論が行われた.その結果,1)研修のための費用負担を研修を受ける側,与える側の双方に保証しなければならないこと.2)大学病院単独の研修は困難で,関連病院の位置付けを明確にしなければならないこと.3)公表されたカリキュラムに基づき研修がおこなわれるべきこと.4)カリキュラムの遂行や研修の成果について評価する機関を設けること.などが提案され,報告書「臨床研修のありかたについて」に詳しく報告された.これに続いて,研究期間の後半は臨床系大学院の問題について検討をおこなった.14の大学について,大学院入学のタイミング,大学院の専攻科目および定員の設定方法,カリキュラムと学外研修の実情,専門医制度との関連,研究テーマの選定方法などを調査し分析を行った.その結果,臨床研修制度,大学病院の医員制度,学会の専門医制度などの登場によって,臨床系大学院の位置付けに様々な適応がうまれていることがわかった。臨床系大学院の健全な発展のためには,大学院の修了年限を3年とし,研究対象に応じた選択の利く研究手法論のカリキュラムを立て必須のコースとすること.研究機関としての役割をプロジェクト研究の場と位置付け,学生はプロジェクトの一員としての研究活動をおこなうこと.大学院の組織は,大講座的研究組織単位をベースにすべきであること、などが必要であると結論した.また,専門医制度や論文博士との関係についても具体的提案を行った。
|