研究課題/領域番号 |
03306022
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
光田 寧 京都大学, 防災研究所, 教授 (90027219)
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研究分担者 |
又木 義博 九州大学, 農学部, 教授 (50038212)
早川 誠而 山口大学, 農学部, 教授 (80038299)
花井 正実 広島大学, 工学部, 教授 (50037719)
植松 康 東北大学, 工学部, 教授 (60151833)
鳥羽 良明 東北大学, 理学部, 教授 (50025277)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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キーワード | 台風9119号 / 強風災害 / 農林災害 / 塩風害 / 高潮 / 傾度風速 |
研究概要 |
1991年台風19号は、9月17日から18日にかけて九州を横断し、日本海を経て北海道に最上陸した。この間、日本海沿岸を早い速度で比較的衰弱することなく通過したため、日本海沿岸の広い範囲にわたって被害が生じた。その被害総額は台風災害としては最大の額であった。九州付近を通過中の台風の気圧分布を10分間毎に解析し、その中心気圧、最大風速半径等を求め、それに対応する傾度風速の分布を求めてみた。その結果、強風域の中心軸は台風中心経路の南数十kmの所にあり、有明海から熊本、大分、燧灘、広島南部を通っている。この強風域は別の調査によって得られた住宅、配電線、農林産物の被害の著しい所とよく一致している。住宅の部分的な被害の数は非常に多いが、全壊したものは予想外に少なく、全壊率は最大風速40m/sくらいの地域でも0.1%くらいしかない。この被害率は過去20年くらい前のものに比して1/10程度しかなく、最近の住宅が風に強くなったと言えるようである。また、燧灘で高潮が生じ、東部では宮島など一部高潮の被害が出たことは、この部分が強風域であったことによる。しかもその付近では雨が少なかったために、山口、広島などでは塩風害が生じた。 また、秋田、青森県でも50m/s以上の最大瞬間風速を記録したことは、この台風の大きな特徴であり、日本海通過中に台風の中心気圧は上昇せず、むしろ少し発達した形跡さえあることは今後の問題である。そのため、風による予想外の被害が生じ、特にりんごについては被害率70%以上の範囲が30%にも及んだ。 このような被害の調査から、風速と被害との間の定量的関係に特に重点をおいて調査結果の解析を行い、今後の台風災害の予測に役立つ資料を収集することができた。
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