研究概要 |
本年度は研究の最終年度に当たるため,研究成果の取りまとめを主眼に研究を進めた。 昨年度作成した評価用システム7種の内,3種について集中的に試用・評価とそれに基づく手直しの作業を繰り返し,検索アルゴリズムの詰めを行なった。 有形文化財の画像データベース検索システムに要求される一般的事項としては下記の通り,昨年度得られた知見を再確認した。 ・データベースの第一要件は,利用者が欲しい情報を十分に迅速に提供することである。 ・そのためデータベースシステムには大量のデータを高速に処理する能力が必要である。 ・この「量」と「速度」の問題は,画像データベースだからといって看過されてよい問題ではない。 ・一方で,利用者に対するきめ細かい応答や良好な操作性も重要ではあるが,これを実現するためには検索システムだけの工夫では不可能で,データそのものを特化して作成する必要がある。結果として実際にはごく少量のデータのシステムとならざるを得ない。 現実には,大量データ・高速応答性重視のシステムと少量データ・きめ細かい対応重視のシステムとの2方向に分化せざるを得ず,両者の使い分けが必要である。 「研究成果報告書」の作成に関して,当初のサンプルデータベース検索システムの配布を計画していたが,一部市販ソフトウェアを利用せざるを得ず、契約上の問題が生ずるため,システムの配布は断念し,印刷物のみとした。代替措置として,サンプルシステム上のスクリプトや画面全てを印刷物上で公表することとした。
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