研究分担者 |
廣田 勇 京都大学, 理学部, 教授 (70025485)
佐藤 亨 京都大学, 工学部, 講師 (60162450)
住 明正 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (10179294)
津田 敏隆 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30115886)
深尾 昌一郎 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30026249)
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研究概要 |
国際太陽地球系物理学科学委員会(SCOSTEP)総会(1990年)でインドネシア地域に設立が勧告された「国際赤道大気研究センタ-」(International Center for Equatorial Atmosphere Reserach=ICEAR)の運営組織・国内支援体制・具体的研究項目に関して,下記の(1)〜(6)の各項目ごとに分担者が企画・調査した情報・成果を集約した. まず(1)「ICEAR運営体制」の検討から,本拠は日本国内に全国共同利用機関として設立し,赤道レ-ダ-等の観測所とその維持・管理・経営に責任を持つ現地支所とをインドネシア国内に海外施設として設置する形が提案された.また日本が設立・全体運営を負担し,インドネシアが敷地提供と現地組織運営を負担し,SCOSTEP等国際学術組織代表を顧問に加え,研究課題・研究者は広く国際的に公募するのが適当と結論された.また(2)「赤道レ-ダ-システム」については,スマトラ島ブキティンギ市周辺が建設・管理・保安面でも好適と確認され,地形等による測定上の影響,アンテナ・ブ-スの配置,解析システムなど支援装置などが,基礎的ではあるが具体的に提案・検討された. (3)「中層大気力学研究課題」としては非季節変動や波動の未解明が改めて浮き彫りにされ,また(4)「中層大気化学研究課題」では(3)との結合過程としての物質輸送,(5)「下層大気研究課題」に特有の湿潤効果や(6)「超高層大気研究課題」で切り離せない電離効果を含めた,大気圏全体の統一的観測・研究の重要性が初めて明確に認識された.さらに,各分野に共通する認識として,長期的地球大気環境変動の解明のためには既存諸計画による短期集中観測では不充分で,恒久的施設ICEARの設立が緊急に必要であると結論された. 以上の成果については,現在申請中の総合研究(A)「ICEAR(国際赤道大気研究センタ-)による赤道域大気研究の新展開」でさらに具体的な研究を行う計画である.
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