研究課題/領域番号 |
03352025
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研究種目 |
総合研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石田 洋一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013108)
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研究分担者 |
平賀 賢二 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30005912)
塩尻 詢 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10027774)
田中 通義 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (90004291)
天兒 和暢 九州大学, 医学部, 教授 (20078752)
下村 義治 広島大学, 工学部, 教授 (40033831)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1991年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 難視材料 / 照射損傷 / 電子線ホログラフィ- / 高分解能電顕 / 中性子損傷過程 / 機能物質 / 構造機能相関 / 電子線バイプリズム |
研究概要 |
難視材料の可視化、即ち電子線照射によって内部構造が容易に変化する物質、原子結合が切断される物質、低散乱能で像コントラストが低い物質、過渡的にしか観察(存在)できない物質や現象などを、現行の電顕か新装置手法の工夫で観察可能にする方途を探るのが本研究の目的である。物理系、材料系及び医学生物系27名の研究者が2度の研究会で調査討論を重ねた。第1回目は東京大学生産技術研究所に於いて開いた。高速電子線と結晶性、非結晶性の材料及び有機材料、生体との相互作用について、各研究者がそれぞれの基礎的デ-タを提出しあい、調査討論が行われた。この結果を各研究者が持ち帰り関連実験を行ったのち再度集まって第2回目研究論会が東京大学物性研究所に於いて開かれた。こんどは主に難視現象に対する対策が、観察装置と観察手法の両面から討論調査された。その結果、難視現象の原因は、照射損傷による構造破壊と低散乱因子が主原材料難視因である事が再確認された。前者では損傷の完全排除は不可能乍ら、損傷のプロセスを物質ごとに丹念に解明すれば、それぞれに応じた個別対応方式で、実質的に著しく軽減される可能性が示唆された。後者の低散乱能物質や低散乱能構造については、現行高分解能電子顕微鏡では直ちの対応はできず、新たな技術的展開が必要であるとされた。とくにポテンシャル変化が緩やかな欠陥周りの電子構造観察は、電顕の分解能向上のみで対応できるものでなく、現象を数値化してこれを視覚化する必要があると結論された。具体的には、電子線ホログラフィ-が大きな可能性を持っているとされた。その結果、平成5年度発足の重点領域研究として、電子線バイプリズムによるホログラフィ-を基礎にした電子顕微鏡法によって、中性子損傷過程の精密解析を行う事、機能物質の構造・機能相関の解明による新たな材料開発研究をおこなうこと、を内容とした申請をする事となった。
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