研究分担者 |
武藤 〓 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80034635)
渡辺 公綱 東京大学, 工学部, 教授 (00134502)
岡田 益吉 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60015534)
大澤 省三 名古屋大学, 理学部, 教授 (10034620)
志村 令郎 京都大学, 理学部, 教授 (60025426)
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研究概要 |
本総合研究(B)においては,RNAの構造と機能の研究をアクティブに行なっている分子生物学,生化学,生物物理学などの研究者を結集して,「RNA機能構造の新視点」からの研究を「重点領域研究」として推進するための企画調査を行なった.多様なRNA機能について,枚挙や現象論に留まらず,体系的な理解に向かうことを目指して,当該重点領域研究においては,以下の3つの研究項目を設けることを結論した. 第1の研究項目「RNA機能の発現機構」は,重点領域研究の全体を支える基盤となり,中核となるものである.ここでは,RNAが主役を演ずる様々な重要な生命現象に関し,RNA分子および蛋白質分子の構造のレベルでメカニズムの解明を行ない,「RNA機能構造」を体系的に理解することを目的とする.典型的なタ-ゲットとして,RNAのスプライシングを取り上げ,スプライス部位の選択による制御,U6RNAの触媒機能などの研究を行う.他方,tRNAも重要なタ-ゲットであり,高次構造に基づいて,tRNA機能の普遍性と特殊性を明らかにする.高次構造の解析は,主として核磁気共鳴(NMR)分光法を駆使して行なう. 第2の研究項目「RNA新機能の検索」は,第1の研究項目にさらなる発展性・普遍性を与えるものである.ここでは,積極的に,従来は発見されていない新しい機能性RNA,あるいは,RNAの新機能を検索することをめざす.そこで,大腸菌,マイコプラズマ,マウスなどに集中して,機能未知RNAを総括的に把握する.他方,様々な生命現象について,RNAの関与の有無を検索する手法などについても検討を行なった.第3の研究項目「RNAの進化と起源」においては,リボザイムやレトロポゾンに注目して,RNAワ-ルドにおける機能性RNAの起源から生物化に伴う発展の経緯までを分子生物学の対象として取扱う.
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