研究課題/領域番号 |
03401003
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 御代明 京都大学, 文学部, 教授 (20031669)
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研究分担者 |
山口 正弘 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (30191240)
松沢 哲郎 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60111986)
乾 敏郎 京都大学, 文学部, 助教授 (30107015)
苧阪 直行 京都大学, 文学部, 助教授 (20113136)
平野 俊二 京都大学, 文学部, 教授 (50046869)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1992年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1991年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 文脈 / 概念獲得 / 読み / チンパンジーのコミュニケーション / 探索行動 / 順向干渉 / 上丘 / 恒常性 / 互酬性利他行動 / 空間認知 / 恒高性 / 記憶モデル |
研究概要 |
本年度の研究でえられた主要な知見は次の通りで、前年度の成果と併せて研究成果報告書にまとめている。 1.認識と行動における文脈の役割の実験的検討(1)言語文脈による概念の獲得:日本語にない概念の言語文脈による獲得について、発話場面の略画を呈示し場面当りの処理時間を長くしたところ、概念獲得の成績がかなり向上した。(2)読みにおける文脈依存性:(a)移動窓を用いて校正読みにおける可視文字範囲と形態類似誤字の検出特性の関係を検討し、移動窓の大きさが類似性に基づく文脈依存性と相関することを見出した。(b)移動窓を用いて有効視野における局所的脈依存性も非対弥性を示すという示唆をえた。(3)社会的文脈におけるチンパンジーのコミュニケーション行動:(a)「ジレンマゲーム」を用いてチンパンジーの協同・競合を調ベ、他者を契機戦略の変換がなされることを見出した。(b)チンパンジーと手話に堪能なヒトとの身ぶりサインによるコミュニケーション確立過程を実験的に検証した。(4)乳幼児の探索行動における刺激文脈の効果:対象探索に関する従来の解釈に反し、6-14月児は、対象を隠すコップの透明性に関わらず空間的に近いものや時間的に早く呈示したものに先ず手を伸ばすこと、この傾向は高月齢児により顕著であることを見出した。(5)動物の学習・記憶・行動における文脈効果:(a)シロネズミの音高継時非見本合わせ課題における順向干渉について休止間隔が干渉作用の解除効果をもつことを示唆する等の結果をえた。(b)上丘損傷ラットの定型行動は運動経験による回復を経て生じる等の示唆をえた。 2.文脈依存的認知過程のモデル化 明度と色の恒常性に関し、陰影や面の向き等の判断が相互に関連して文脈情報となり面の明度や色の知覚を決定すること、2層マルコフ確率場モデル有効性が明らかになった。
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