研究分担者 |
楠瀬 勤一郎 地質調査所, 環境地質部, 課長
加藤 尚之 東北大学, 理学部, 助手 (60224523)
山本 清彦 東北大学, 理学部, 助教授 (90004390)
三浦 哲 東北大学, 理学部, 助手 (70181849)
三品 正明 東北大学, 理学部, 助教授 (70004421)
堀内 茂木 東北大学, 理学部, 助教授 (00004490)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1992年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1991年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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研究概要 |
東北地方では,日本海溝付近から太平洋プレートが日本列島下に沈み込んでいるが,その運動は空間的にも時間的にも一様ではない。浅部プレート境界では高速伝播すべりが大地震として間欠的に発生し,深部境界では定常的なすべりが発生していると考えられる。この中間の深さのプレート境界では,間欠的な低速伝播の非地震性すべりが発生する可能性があり,これが浅部境界の地震破壊核形成に寄与するとともに,内陸の浅い地震活動にも大きな影響を及ぼすことが予想される。本研究はこのような問題意識のもとに,固着-すべりの室内実験を系統的に実施し,すべり破壊核形成過程の追跡を通して,低速で伝播する不安定すべりの発生条件の解明を目指すとともに,地殻変動観測のデータから非地震性すべりの検出を試みた。 大理石と花崗岩を組み合わせて,既存断層面の一部は大理石,他の部分は花崗岩となるような複合断層をもつ岩石試料を用いた固着-すべり実験により,巨視的に不均一な断層面上では低速伝播の不安定すべりが発生し易いことを見いだした。また,すべり破壊核形成過程において,微小破壊によると考えられる高周波弾性波が観測され,その震源の多くは破壊核形成域に決定された。これは,巨視的には安定なすべり現象の中に微視的には不安定な現象を含むことを意味している。一方,東北地方に展開された多数の地殻変動観測点の伸縮計記録をに解析・検討した結果,1992年7月の三陸はるか沖の地震(M6.9)直後に始まる余効的歪変化を宮古と江刺の観測記録から検出した。本震とほぼ同じ地震モーメントで時定数約半日の非地震性の余効的断層運動が本震とほぼ同じすべり破壊域で発生した,と解釈される。
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