配分額 *注記 |
22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
1993年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1992年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1991年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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研究概要 |
平成4年度までに,GaAs/AlAs界面にSi原子を挿入する方法ではバンド不連続量は制御困難であることを示したが,本年度はその原因について検討した。GaAs中に挿入されたSi原子は,3原子層程度にわたって分布してしまう。このような構造においては,Si層により形成されるダイポールの大きさは,Si原子が正確に2原子層を占める場合(1.6eV)の10分の1程度になってしまいう。これはSi原子の占めるサイトを制御することの重要性を示す。 次に,ヘテロ界面の両側に,それぞれp形およびn形のδドーピングを行い,バンド不連続量を制御する方法を検討した。まず,GaAs(311)A面上にSiをδドープした試料をMBE成長すると,基板温度が480度よりも高温ではp形に,それよりも低温ではn形になることを明らかにした。これは,GaAs(311)A面上のMBE成長によりサイトを制御してSiを挿入できることを示している。さらにこれを応用し,GaAs(311)A基板上にGaAs/AlAsヘテロ構造をMBE成長し,ヘテロ界面の両側にSiδドーピング層を設け,基板温度を変化させることにより,p形とn形のδドーピング層を挿入し,バンド不連続を変える実験を行なった。XPS測定により,2層のδドーピング層を有するヘテロ接合において,実質的なバンド不連続量が約0.7eV程度変化していることがわかった。 本研究では,以上述べたように,現在の結晶成長技術では,ヘテロ界面に単一の挿入層を入れるだけでは不十分であるが,2回に分けて挿入層を形成し,その成長条件を工夫することにより,バンド不連続の制御が可能であることを示した。
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