研究課題/領域番号 |
03402037
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊賀 健一 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (10016785)
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研究分担者 |
馬場 俊彦 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (50202271)
坂口 孝浩 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (70215622)
小山 二三夫 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (30178397)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
17,300千円 (直接経費: 17,300千円)
1992年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1991年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
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キーワード | 多重量子障壁 / 電子波 / 超格子 / 半導体薄膜 / 半導体レーザ / ヘテロ障壁 / 半導体レ-ザ |
研究概要 |
本研究では、半導体積層超薄膜で構成される多重量子障壁(MQB)の電子波反射現象の検証と、それを導入することによる半導体レーザの温度特性改善を目指している。本年度の研究研画では、1)様々な材料系におけるMQBの最適設計、2)変形MQBの詳しい理論解析、3)製作技術の確立、4)ninダイオードによる電子波反射効果の測定、5)MQB半導体レーザの試作と評価、以上の5点について研究を予定していた。 1)については、本年度、光通信用GaInAsP系半導体に対する最適設計を検討した。そして新たにAlGaInAsという材料を障壁層に用いることで十分な電子波反射率が得られ、オージェ非発光損失の問題も低減できることを理論計算より明らかにした。2)については、フェルミ分布を考慮した詳しい理論計算を行い、昨年度の簡単な理論計算から予測された変形多重量子障壁の効果があらためて確認された。3)については、昨年度購入の多重量子障壁成長用ガス制御装置に、本年度購入した高純度水素精製装置を付加した。これにより10原子層前後の極薄膜量子井戸構造の高品質な成長が行えるようになり、レーザ評価からも高い結晶性が確認された。4)については、昨年度、ninダイオードにより初めて電子波反射効果が確認されたことを報告したが、本年度はMQBの構造および材料系依存性についても調べ、理論設計と符号する実験結果を得た。5)については、MQBを導入したレーザをAlGaAs半導体系で実際に製作し、導入しない場合と比較した結果、明らかな温度特性の向上が得られた。 以上、本研究の成果からMQBの有効性を実証し、また広範な半導体系に対する適用性も同時に示すことができた。本研究を契機に最近になって多くの研究機関においてMQBの導入が始まり、レーザの特性改善が数多く報告されるようになったが、本研究はそれらを先導する重要な成果をもたらしたものと信ずる。
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