配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 26,000千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1991年度: 21,500千円 (直接経費: 21,500千円)
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研究概要 |
光増感電子移動コープ転伝反応についてはエネルギー曲面の問題を追求した。2,5-ジアリール-1,5-ヘキサジエンラジカルカチオンの環化反応の活性化エネルギーをパルスラジオリシスで、中間体シクロヘキサン-1,4-ラジカルカチオンのイオン対のエネルギーを光音響測熱法で測定を行い、その結果から光増感電子移動反応によるコープ転伝反応はラジカルカチオン環化-ジラジカル開環型の2段階反応で起こる事を実証した。この反応に関連する1,4-ジアリール-2,3-ジメチルビシクロヘキサン誘導体の電子移動経由の開環反応を詳細に研究し、増成剤・溶媒極性に依存して反応機構が変化する事実とその反応機構を明らかにした。ジメチレンフランおよびジメチレンピロール誘導体をビススチリンフランおよびピロールの光増成移動反応で生成させ,その存在をレーザーフラシュ法で確認するとともに種々のジェンとの反応速度をレーザーフラッシュ法で求めた。化学的挿捉実験の結果を総合してこれらの非ケキュレ型中間体は茎底状態一重埴と決定した。理論計算結果からもその妥当性が裏付けられた。コープ転伝反応を起こした2,5-ジアリール-1,5-ヘキサジェン等に炭素を増加したヘプロジェン,オクロジェン,ノナジェンの素の光増感電子移動反応も行い,炭素鎖の長さの効果が詳細に研究され,興味ある立体化学で環化する事が判明し,長さの増大で環化効率が著しく減少する事を明らかにした。3種のジビニルベンゼンと強力な電子受容体ビスチアジアゾロテトラシアノキノジメタンとの結晶性電荷移動錯体の固相光化学を行い,電子移動経由の興味ある〔2+2〕型環化付加反応を見出した。
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