研究課題/領域番号 |
03403006
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野依 良治 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022554)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
35,500千円 (直接経費: 35,500千円)
1993年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1992年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1991年度: 27,700千円 (直接経費: 27,700千円)
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キーワード | BINAP / BINAP-ロジウム錯体 / BINAP-ルテニウム錯体 / 触媒的不斉水素化 / 化学的不斉増殖 / 動的速度論分割 / 重複不斉誘導 / 均一系触媒的不斉水素化 / βーケトエステル |
研究概要 |
「還元」は最も基本的な有機化学反応の一つである。とくに、オレフィンやケトン類の還元は一般的かつ不可欠な合成操作である。三級不斉炭素中心の一般的構築を可能にする不斉反応化は有機合成化学の中心的課題であり、高立体選択性の付与は有機合成化学へ大きな波及効果をもたらす。少量の不斉源を用いて多量の光学活性有機物質をつくりだすことができる化学的不斉増殖法は大量物質生産の観点からも理想的であり、その開拓研究が強く望まれる。本研究者は、数多くある還元反応のなかでも最も単純かつ極めて基本的な水素化反応に焦点を置いて、その不斉触媒化を徹底的に追求した。高い水素分子活性化機能をもつ遷移金属に、反応遷移状態の安定化を十分考慮して、高度な三次元空間識別能を賦活する。この概念を基本に、ビス(トリアリール)ホスフィン構造と軸性キラリティーをもつC_2対称性構造を有する2,2^1-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1^1-ビナフチル(BINAP)配位子を設計・合成した。sp^2炭素原子からなる7員キレート環を形成するBINAPはキラル構造の一義性を保つだけでなく、種々の遷移金属を容易に受け入れることができる。加えて、中心金属の酸化数の変化および基底状態から遷移状態への移行の際に生ずる構造的変化に柔軟に対応する特質をもつ。このBINAPをロジウムやルテニウム金属の配位子に用いることによって、、触媒的不斉水素化法に新局面を開いた。適用可能な基質は配位性へテロ原子を近傍に有する極めて広い範囲のオレフィン類ないしケトン類に及ぶ本プロセスは不斉増殖率、不斉収率、化学収率、汎用性の観点からも従来類例を見ない高効率性を示す。特異な生理活性や物性をもつ有用物質の大量生産、物質変換に強力な手段を提供した。有機合成にもたらしたインパクトははかり知れない。現在、ライフサイエンスや精密化学工業の分野で本法の様々な応用法が開拓されている。
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