配分額 *注記 |
32,700千円 (直接経費: 32,700千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1991年度: 23,100千円 (直接経費: 23,100千円)
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研究概要 |
本研究ではピリジンやピロール骨格などを含む複素多環系の独創的な分子設計法を開発し,さらに一般化,簡便化,効率化,機能の評価による構造活性相関の解明に基づく分子設計の精密化などを展開した。 1.シリル基の転位を活用する1,3-双極子中間体のシクロ付加や,ジアジリジノンの環拡大付加などによる新規なピロール系縮合複素環合成法を開発した。 2.ピリジン環への新規な反応性置換基導入による効率的な多官能化法を見いだし,これを活用する複素多環合成法を多数開発した。 3.アザインドールの物理化学的性質を解明するとともに,本骨格への種々の官能基導入法を確立した。さらに,官能化アザインドールの機能の一つとして農薬活性を見いだし,構造との相関関係を解明した。 4.複素多環系を含むオリゴマーやポリマーを合成し,機能性色素,高分子殺菌剤,非線形光学材料などの機能物質としての応用を図った。 5.新規補酵素PQQやTTQのモデル化合物の合成法を多数確立するとともに,それらを活用して酸化還元機能などに及ぼす構造の役割を系統的に検討し,生体内反応の機構を多数解明した。また,その知見に基づき優れた触媒活性を有する補酵素モデルの分子設計を展開した。 6.分子力場計算や分子軌道計算により分子構造や反応経路の精密解析を行ない,その結果を分子設計や反応設計に活用した。 7.複素原子の種類,数,位置,環サイズ,環の組合せ,官能基の種類等に起因する機能性の変化を包括的に解明した。それらの相関関係は本研究における分子設計に活かされただけでなく,今後広範な複素環の分子設計や新規機能物質の開発に重要な知見と指針を与えるものである。
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