研究課題/領域番号 |
03404022
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高井 義美 神戸大学, 医学部, 教授 (60093514)
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研究分担者 |
佐々木 卓也 神戸大学, 医学部, 助手 (40241278)
菊池 章 (菊地 章) 神戸大学, 医学部, 講師 (10204827)
貝淵 弘三 神戸大学, 医学部, 助教授 (00169377)
河田 正仁 神戸大学, 医学部, 助手 (20224785)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
31,600千円 (直接経費: 31,600千円)
1993年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1992年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1991年度: 22,100千円 (直接経費: 22,100千円)
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キーワード | 低分子量GTP結合蛋白質 / Ras / Smg GDS / CDC25Mm / REKS / Rho / Rab3A / Rabphilin-3A / MAPキナーゼ / Rho GDI / ras p21 / rho p21 / smg p25A / rab3A p25 / smg GDS / rho GDI / rabphilin / 細胞内情報伝達機構 / 翻訳後修飾 / ゲラニルゲラニル基 / リン酸化 / 平滑筋 / 活性酸素 |
研究概要 |
私共はこの数年間、Rasに類似した分子量2万余りのGTP結合蛋白質(低分子量G蛋白質)を生体内に多数発見している。本研究では、細胞内情報伝達系における低分子量G蛋白質の役割と作用機構を解明することを目的とした。Rasは受容体型チロシンキナーゼやCキナーゼの下流で働いていると考えられるが、Rasが活性化されるためにはGDP/GTP exchange protein(GEP)が活性化される必要がある。Rasを活性化するGEPとしては、私共が見出したSmg GDS以外にも、CDC25MmおよびmSosの3種類が知られている。Smg GDSはGDP結合型のRasと複合体を形成し、GDPを解離させてGTP結合型に変換し、GTP結合型Rasと複合体を形成するが、CDC25MmはGDP結合型のRasに作用し、GDPを解離させてGTP結合型に変換するが、GTP結合型Rasとは複合体を形成しなかった。また、Smg GDSはGTP結合型のRasの細胞膜から細胞質への移行を促進したが、CDC25Mmは促進しなかった。さらに、私共はRasの標的蛋白質を同定する目的で、RasがMAPキナーゼキナーゼを活性化してMAPキナーゼを活性化する無細胞系のアッセイ系を確立した。私共は、このアッセイ系を用いて、Rasによって直接活性化される未知の因子を、高度に精製し、REKS(Ras-dependent ERK Kinase Stimulator)と命名した。REKSはGTP結合型のRasに結合して活性化されるプロテインキナーゼで、MAPキナーゼキナーゼをリン酸化して活性化した。一方、私共は、C3やEDIN、Rho GDIを用いた実験から、Rhoが平滑筋の収縮を制御していることを明らかにした。また、Rhoが細胞形態、細胞膜のラッフリング、細胞運動、細胞質分裂をも制御していることを明らかにした。私共や他の研究室の実験結果から、Rab3Aは神経伝達物質の放出に関与していると考えられている。本研究で、私共はウシ大脳のシナプス小胞の膜画分にGTP結合型Rab3Aが特異的に結合する標的蛋白質を見出し、そのcDNAをクローニングして1次構造を決定してRabphilin-3Aと命名した。Rabphilin-3Aはプレシナプスのシナプス小胞に局在しており、シナプスでの神経伝達物質の放出に重要な役割を果たしていると考えられる。これらの私共の研究成果から、低分子量G蛋白質の役割と作用機構について着実な成果を挙げることができ、本研究計画をほぼ達成できたと考えている。
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