研究分担者 |
鬼頭 義次 国立循環器病センター病院, 心臓外科, 部長
増澤 徹 (増沢 徹) 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (40199691)
巽 英介 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00216996)
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (60155752)
妙中 義之 (妙井 義之) 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00142183)
川島 康生 国立循環器病センター研究所, 院長 (10028425)
木下 正之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (00183301)
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配分額 *注記 |
24,400千円 (直接経費: 24,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1993年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1992年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1991年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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研究概要 |
日本人の体格に適したサイズの長期使用可能な左心補助人工心臓システム(LVAS)の開発を行った.血液ポンプはセグメント化ポリウレタン(TMシリーズ)製空気圧駆動ダイアフラム型で,腹壁内収納を考慮し送脱血及び駆動用ポート部をダイアフラム面と平行としポンプ厚を50mmとした。左室心尖脱血とし,駆動チューブの皮膚貫通部には skin cuffを装着した.ポンプ拍出量モニタリングを非侵襲的かつリアルタイムに行なうために,電気インピーダンス(Z)測定によるポンプ内血液量測定システム(Z)法を開発した.本法はfill to empty(F/E)駆動が可能であり,さらにF/E駆動を適正に行なうために自動トリガレベル設定方式を開発した.また,適用患者のQOL向上のためにZ法を組込んだ簡易駆動装置を作製した.慢性動物実験は,体重50〜78kgの正常心成山羊13頭を用いた.事故及び出血等により4頭を失ったが,2頭は4週,2頭は9週,5頭は12〜18週の循環補助後犠死せしめた.循環補助中,全身状態は良好に維持され,補助量は4〜5L/minと安定し,血液・生化学検査上特に異常を認めなかった.剖検時,3頭の血液ポンプ弁輪部に血栓を,また2頭においてポンプ内に血栓形成を認めたが,ポンプ内に血栓を認めた1頭は,感染に基づくと考えられた.Z法は,ポンプ駆動状況の把握に有用であり,良好な駆動制御を行い得た.ポンプの耐久試験を弁付きの2個のポンプで行ったが,9ヵ月間の駆動が可能であることを確認した.簡易駆動装置は,本体の寸法は304mm×580mm×270mm,重量が28kgで,モック回路による駆動特性の検討において,前負荷10mmHg,後負荷100mmHgにて最大7.4L/minの流量を示した.さらにZ法によりF/E駆動も良好に行い得た.また,前負荷10mmHg,後負荷100mmHg,ポンプ拍動数60bpmにて,91日間特に問題なく駆動を持続した.可動性を高めるために架台を作製したが,重量は52kgであった.現在臨床応用にむけて,さらに検討を進めている.
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