研究課題/領域番号 |
03404056
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 宏 大阪大学, 歯学部, 教授 (40038865)
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研究分担者 |
楠本 豊 大阪大学, 歯学部, 助手 (40252689)
島袋 善夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (50231361)
村上 伸也 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70239490)
島内 英俊 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70187425)
三木 靖夫 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80165993)
伊藤 博夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (40213079)
原田 泰 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (10181025)
木村 重信 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10177917)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
31,800千円 (直接経費: 31,800千円)
1993年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1992年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1991年度: 22,300千円 (直接経費: 22,300千円)
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キーワード | 歯周疾患 / T細胞 / 自己リンパ球混合培養反応 / CD45R / 細胞接着分子 / 歯肉線維芽細胞 / CD44 / VLA-4 / T細胞クローン / インテグリン / 自己反応性T細胞 / 歯周炎 / 多クロ-ン性B細胞活性化 |
研究概要 |
T細胞の歯周炎における免疫制御機構を解析し、今日までに以下の研究結果を得た。歯周炎患者におけるT細胞の自己認識能を評価するため、自己リンパ球混合培養反応(AMLR)を検討した結果、AMLR低応答性を示す歯周病患者群があり、この群は末梢血CD3陽性T細胞中のCD4/CD8比・CD4陽性CD45RO陽性T細胞の比率は正常対照群と変わりないものの、CD4陽性CD45RA陽性T細胞の比率が有意に減少していることが明らかとなった。一方、炎症歯周組織中のCD4陽性T細胞を解析すると、CD45RO陽性T細胞の比率が有意に増加しており、活性化ヘルパーT細胞が炎症歯内に集積していることが強く示唆された。そこでこのT細胞の炎症歯周組織への定着機構を解明するために、歯肉線維芽細胞(HGF)とT細胞の細胞間接着機構を解析した。この異種細胞間接着にはVLAインテグリン、LFA-1/ICAM-1、CD44などの細胞接着分子が関与すること、休止期のHGFに対してはVLAインテグリン経路が、IL-1β、TNFα、IFNγにて活性化されたHGFに対してはLFA-1/ICAM-1経路が主要な役割を果たすことが明らかにされた。これら細胞接着分子の発現パターンをflow cytometryにより解析すると末梢血T細胞と炎症歯周組織中のT細胞との間で特徴的な差異は認められなかった。また、IFNγで活性化されたHGFがcognate-interactionを介してT細胞の1次増殖反応を抑制するが、活性化T細胞に対してはアロ抗原提示細胞としても機能し得ることが明らかとなり、T細胞-HGF間の免疫応答制御機構の存在が示唆された。さらに、歯周病原性細菌に対する歯周病患者T細胞の反応性を検討した結果、P.gingivalis(P.g)線毛抗原に対する血中特異抗体価の上昇が認められた患者の末梢血中にP.g線毛抗原特異的T細胞が高頻度に在することを明らかにした。このようにT細胞が歯周病原性細菌特異的な局所免疫応答を修飾している可能性が示唆された。
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