研究課題/領域番号 |
03451042
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡部 洋 東京大学, 教育学部, 教授 (30141998)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1991年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 小論文テスト / 字の美しさの影響 / 小論文 / 評定者信頼性 / 評定値の構造 |
研究概要 |
小論文テストの答案の採点において、答案の字の美しさが評価値に影響する可能性があることは、すでに多くの人々によって指摘されてきたところである。たとえば、Chase(1968)は文字の上手さが得点に有意に影響すること、Marshall&Powers(1969)は内容のみに基づいて評価するように指摘があったにも関わらず、評定者は文字の上手さにその評価を左右されること、およびChase(1979)は成績に対する評定者の期待と字の上手の双方が評価値に影響することを報告している。また、Chase(1968)、Briggo(1970)、Soloff(1973)およびMarkham(1976)は、学校の教師は文字の美しい作文に対して高い得点を与える傾向があることを報告している。それに対して、Eames&Loewenthal(1990)は、大学の教師は、論文評価において、文字の美しさに左右されないという結果を示している。とくに、最近はワードプロセッサが普及したために、ワープロ文字の場合と手書き文字の場合との差異を比較することが可能となった。そこで、この研究では、実際の答案を熟練した読み手に読ませることによって、答案をワープロで打ち直した場合とそのままの手書きの場合とでは、小論文テスト答案の評価がどのように異なるのかを調べた。その結果、ワープロ文字の場合と手書きの場合とで評価値の平均値に一貫した差は認められなかったが、評定者によってはワープロ文字の方を高く評価するケースがみられた。とくに、中学の作文指導を専門とする教諭は手書きの方を高く評価し、大学教師はワープロの方を高く評価する傾向がみられた。
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