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出土鉄器の鉛同位体法による原料産地の推定

研究課題

研究課題/領域番号 03451058
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 考古学
研究機関東京国立文化財研究所

研究代表者

平尾 良光  東京国立文化財研究所, 保存科学部, 室長 (40082812)

研究分担者 青木 繁夫  東京国立文化財研究所, 修複技術部, 室長 (60088797)
研究期間 (年度) 1991 – 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワード鉛同位体比 / 鉄製品 / 産地推定 / 鉄器の産地推定 / 古代鉄
研究概要

今年度は昨年度まで検討した鉛の分離法を実際の資料に応用して鉛同位体比を測定した。実際の資料として、古代鉄を約35資料取り上げた。
分析法:同一資料を2回以上独立に分析することを原則として測定を進めた.古代鉄には鉛が10〜100ng鉛/g程度含まれることが今までの実験で測定されている。そこで鉄試料を0.5〜1g程度採取し、これを塩酸と少量の硝酸で溶解し、塩酸形のままMIBKで鉄の大部分を抽出した。その後残りの溶液を臭化物イオン系として、陰イオン交換法で鉛を分離精製した。この鉛を実験中に明らかに汚染を受けた場合や、鉛を除き切れなかった場合などまた質量分析計で測定できなかった場合を除いて、約20に関して測定することが出来た
結 果:測定された資料の中には鎌倉時代東大寺南大門仁王像作成のために用いられた釘や鎹が含まれる。これは典型的な日本の資料と思われるので、日本産の典型的な資料として価値があった。中国産の典型的な鉄資料として1資料ではあるが、中国後漢時代の鉄産があったので、これを中国資料の典型例として、取り上げた。そのほかの資料に関しては、日本産と推定されている。
解 析:測定値の信頼性を複数回の測定値から判断すると、ほとんどの資料は測定誤差内で一致しており、測定誤差は通常の資料の場合よりも大きいが、この範囲内を認めるならば、信頼できる測定であると判断される。
鉄資料に含まれる鉛の同位体比は鉛鉱山が示す分布領域とはかなり異なった様相を示した。日本の資料と中国の資料とははっきり異なった分布を示した。
これら鉄器に含まれる微量の鉛の同位体比を測定し、産地推定に応用出来たことは世界で初めての報告であり、本研究の大きな実績である。

報告書

(3件)
  • 1993 実績報告書
  • 1992 実績報告書
  • 1991 実績報告書

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公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

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