研究概要 |
本研究で明らかにされた重要な知見の一つは,トップの経営教育に関する日・韓・独の違いである。企業内教育訓練制度を3か国別に見ると,日本では,ブルー・カラー,ホワイト・カラーさらにトップ候補者に対しても,教育・訓練は概ね内部で行われるように制度化されている。これにたいして,韓国では,中間管理者までの教育が企業内に制度化されているが,トップ教育については日本ほど重視されておらず,講師を招くとか,外部の研修に派遣するとか,多様である。ドイツでは,ブルー・カラー教育については,徒弟制度を中心に企業内部に制度化されているが,トップを含めてホワイト・カラーの教育については,概ね外部研究機関の利用か自主研修の傾向が強いといえる。しかし,このような違いがあるにもかかわらず,日本,韓国,ドイツでは,最近になりビジネス・スクール的な機関の必要性がいわれている。特にアメリカとの比較で,この3か国の将来におけるこの種の企業外部の経営者教育機関の発展とその違いに注意を向けていかねばならない。 本研究の報告書は,次の6章から構成されている。I章 学校教育制度と公共職業教育訓練制度-日・独・韓間比較-,II章 日本,韓国,ドイツにおける企業内教育に関する調査,III章 日本の企業内教育の現状と課題,IV章 日本企業の情報化と教育訓練,V章 教育訓練費の管理と実態-若干の韓国との比較を加えて-,補章 現代の人事労務管理の課題-主に従業員の価値観の変化との関連で-
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