研究分担者 |
南部 昌敏 上越教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (90143627)
三浦 軍三 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00109141)
篠原 文陽児 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00113035)
児島 邦宏 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70014826)
浦野 弘 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (50185089)
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研究概要 |
1.授業の構造モデルの設定:(1)教授行動のカテゴリーを分類してサブシステムを構成する。(2)アセスメント手法による教授行動の選択系列のパターンの作成。(3)ファジイ集合による確率的多段決定過程の構造モデルの構築。(4)アセスメント手法とファジイ集合との整合による授業の構造モデルの設定。(5)授業の構造モデルに身体的な教授・学習行動を同定する。そして,教授行動の系列・子どもの学習行動の反応系列との対応関係を,教授行動の意思決定の構造モデルとして表現し,「教授行動の選択系列のアセスメント」という新しい授業分析研究方法を開発した。さらに,ある教授行動が生起させる学習行動の各系列の相互作用に着目し,教授行動と学習行動の相互に影響し合う度合いを確率的多段決定過程の構造によって教授・学習行動の相互間の,(1)特定の行動によってある行動の生起が促進されるか,抑制されるか,(2)特定の行動間の生起の影響の度合い,(3)特定の行動によってある行動が生起する時間等を分析し,さらにCognitive Map法(認知構造図)によっても,集団および個別学習の視点を考慮しながら,構造モデルを構築した。 2.授業の指導案設計と授業録画およびプロトコールの作成:マイクロティーチングとシミュレーション的手法により可能な教授行動と学習行動を予測した学習指導案を設計し、これらに基づき授業を実施し授業全体をビデオ録画(教師50時限,教育実習生120時限)とプロトコールを作成し,教授行動のアセスメントの基礎資料を作成した。 3.授業録画(プロトコール付き)に基づく教授行動の選択系列のアセスメント研究:前記一般の授業に加えて,ベテラン教師である斎藤喜博の介入授業(教授行動なもっともリアルに選択される場面)を「教授行動の選択系列のアセスメント手法」に従って,1時限の授業を教授行動の意思決定を行うエピソード(分節4〜6)とステージ(20前後)に分割し,それらのステージごとに教授行動を選択・提案する設問を設け,選択された教授行動の意図・意味を問い,かつ教授行動間のアセスメントを行うテキスト(約300ページ)を作成した。さらに,教師及び教育実習生を対象として修正された構造モデルをもとに,教師の意思決定過程における教授行動(実践的能力)の訓練プログラムを開発・試行した。
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