研究分担者 |
柴 雅和 広島大学, 理学部, 助教授 (70025469)
大春 愼之助 (大春 慎之助) 広島大学, 理学部, 教授 (40063721)
内藤 学 広島大学, 理学部, 助教授 (00106791)
草野 尚 広島大学, 理学部, 教授 (70033868)
宮川 鉄朗 広島大学, 理学部, 助教授 (10033929)
|
研究概要 |
非線形方程式の解の大域的挙動に関しては,分担者 草野,内藤,倉,大春 の諸氏によりそれぞれの立場で研究を進め,以下の成果を得た.2階および高階のある種の半線形乃至は準線形の楕円型方程式の全域解に関し,正値解の構造とか球対称解の零点の個数に関する結果等の振動理論が類似の常微分方程式に関する結果あるいは論法を用いて解明出来ることを示した.また,supersolution-subsolution法が高階の楕円型方程式に対しても適用され,特に有界な正値全域解の構成に有効であることを見いだした.そのほか外部領域における非線形のp-Laplace方程式に対して,種々の漸近挙動をもつ正値解の存在およびその構,不定符号の係数を持つ放物型関数偏微分方程式の解の振動性,順序関係の入ったバナハ空間における特異な半線形性を持つ半線形発展方程式の可解性とその応用等について種々の結果を得た.一方,分担者 柴,増本等はリーマン面の接続問題について,理想境界のポテンシャル論的実現問題および古典的等角写像論および単葉関数論との関わりを調べた.すなわち,種数1の開リーマン面のスパンの評価,具体的・数値的取扱い,外部問題の極値問題について種数が0と1の場合を平行して解くことによる新しい結果の導出,リーマン球面,平面,上半平面の定曲率等角的距離と円板における双曲的距離との関係についての一般的取扱等を行なった.これらの結果ふまえて,研究代表者は,ポテンシャル論的立場から次の成果を得た.楕円型および放物型の偏微分方程式の解の理論の統一的記述のための調和空間の理論において,共役な調和構造を持つ場合のGreenの公式の導出はGreen関数を用いず,測度表現のみである程度可能であることを示し,さらにより一般な掃散空間においてその論法が適用出来ることが予想され,その手始めに掃散空間における4種類の共役の定義が互いに同値であることを証明した.
|