研究課題/領域番号 |
03452029
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
隅山 兼治 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70101243)
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研究分担者 |
櫻井 雅樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80235225)
柴田 薫 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60183836)
神山 智明 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90005926)
鈴木 謙爾 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005861)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 重い電子糸 / セリウムー鋼合金 / セリウムーシリコン合金 / セリウムールテンウム合金 / 低温比熱 / 磁化率 / 電気抵抗 / アモルファス / 重い電子系 / セリウムー銅合金 / セリウムールテニウム合金 / 電気低抗 |
研究概要 |
Ce合金においては、f電子とs、p電子の混成、多体効果が著しく、電子の有効質量が重くなるなど、近藤効果、高温超伝導の発現機構と密接に関係した現像が観測されている。本研究計画においては、アモルファス(a-)Ce合金の構造(X線構造解析)、物性(低温比熱、磁化率、電気抵抗、磁気抵抗、熱電能)、電子状態(X線電子分光)を観測し、従来の希土類金属間化合物の研究の限界(狭い化学量論組成、異なる結晶構造)を克服して総合的に研究するとともに、ランダム構造の電子相関に及ぼす影響について検討した。その結果、以下に示す知見が得られた。 1)a-Ce-Cu、a-Ce-Si、a-Ce-Re合金の電子比熱係γは著しく増強されるが対応するa-La合金のγは増強されず、重い電子係はf電子に由来する。 2)a-Ce-Cu合金ではランダム構造により電子相関が乱され、低温での秩序形成が抑制され、不純物近藤(IK)状態が高濃度まで持続する。 3)a-Ce-Si合金では、a-Ce-Cu合金に比べ近藤効果が強く、低温での整合近藤(CK)状態の兆候を示すが、ランダム構造によりIK状態が実現する。 4)a-Ce-Ru合金は、f電子と伝導電子の混成、電子相関が極めて強く、ランダム構造をとるにも拘らず、低温でCK、超伝導状態が実現される。 5)Ce濃度の増加にともないCe-Ce原子間距離は減小するが、Ce-Cu、Ce-Si、Ce-Ru原子間距離の組成依存性は小さい。Ce原子周りの配位数は対応する金属間化合物に比べて減少し、電子の局在性が著しくなる。 6)価電子・内殻電子スペクトルともに、Ce-Cu、Ce-Si、Ce-Ruの順にf電子と伝導電子の混成が著しくなる。 7)気相合成法と液体急冷法で作製したa-Ce-Ni合金の物性が著しく異なり、両者のランダム度も異なる。
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