研究課題/領域番号 |
03452039
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀 秀信 大阪大学, 理学部, 助教授 (20028244)
|
研究分担者 |
伊達 宗行 大阪大学, 理学部, 教授 (80028076)
吉田 立 大阪大学, 低温センター, 助手 (90127316)
山岸 昭雄 大阪大学, 極隈物質研究センター, 助教授 (10006273)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
|
キーワード | ハルデンギャップ / スピン対 / 一次元スピン系 / 不純物効果 / ESR / RVB / S=1スピン系 / 磁化過程 / ハンデンギヤップ / 一次元量子スピン / 不純物スピン / NENP / NINAZ / TMNIN |
研究概要 |
一次元整教スピン系は半整数の場合と違って、基底一重項と第一励起状能の問にエネルギーギャップが存在するというハルデン問題に対して我々の提案した「スピン対が鎖内を動きまわる」という、いわゆるRVBモデルの実験的な研究を行った。まず1)ハルデンギャップが強磁場磁化過程で磁化が急に増加しはじめる臨界磁場Hcからどう決まるかを解決した。又一軸異方性のスピンフロップの場合と異って、ハルデンギャップの場合いずれの方向にもHcが存在し、それ以上で急に磁化が出て来る事でハルデンギャップが確認されることがわかった。次に2)ESRの結果をもとにして運動量〓がOでのギャップとHcの関係を明らかにし、その結果を使って各種の物質のJとギャップの大きさを磁化によって決め、ギャップが0.4Jと与えられる事を実験的に確めた。3)ハルデン効果は本当にS=1のスピン系でおこりS=1/2の1次元スピン系では起らないかを実験的に調べるため、CsCoCl_3のいろいろな磁気励起を光学的に調べた。その結果ハルデン効果と全く異った各種の磁気励起を行う事が確認出来た。4)ハルデン系の電磁波による〓〓Oの励起をESRにより観測し確認した。それによるエネルギ準位の決定と強度の温度依存性の観測等により我々のモデルが非常に有力である事が確められた。5)我々のモデルによると不純物により鎖を切るとその切り口が対を作れない場合が生じ、新たな磁気モーメントが出現するという独特な不純物効果を実験的に発見した。6)5)の効果はS=1/2のスピン系では起らず異った効果になる事がCsCo_<1-X>Mg_XCl_3の混晶系の磁化過の観測によって調べられ、ハルデン系とは全く違っている事を明らかにした。 以上の研究は現在、短い一次元鎖の端や切り口の量子力学的境界値の問題として量子統計の基礎的に重要な新しい問題を提起しつつある。今後この方面の問題として発展していくものと期待出来る。
|