研究課題/領域番号 |
03452044
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤井 博信 広島大学, 総合科学部, 教授 (30034573)
|
研究分担者 |
梅尾 和則 広島大学, 理学部, 助手 (10223596)
鈴木 孝至 広島大学, 理学部, 助手 (00192617)
桜井 醇児 富山大学, 理学部, 教授 (30033814)
藤田 敏三 広島大学, 理学部, 教授 (20004369)
高畠 敏郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40171540)
溶野 稔一 広島大学, 総合科学部, 助手 (40185103)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1992年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1991年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
|
キーワード | 異方的混成効果 / 重い電子系 / 結晶育成 / 金属・非金属転移 / 電気伝導 / 帯磁率 / 比熱 / ホール効果 / 価数揺動 / 電気低抗 / 熱電能 |
研究概要 |
セリウム(Ce)やウラン(U)を含む一連の金属間化合物において、f-電子は配位子のs,p,d-電子との混成効果によって強い電子相関を保ちながら結晶中を偏歴し、低温で重い電子状態を形成する。それと同時に近藤格子型相互作用によって極めて異常な基底状態が出現する。本研究では、基底状態で示す種々の特異な物性が異方的混成効果に起源する現象であると考え、純良単結晶を育成し、それを用いた系統的な物性研究を計画した。まずトリ・アーク溶解炉、赤外線集中加熱炉、高周波溶解炉を整備しチョコラルスキー法による単結晶の育成法の確立に着手した。良質なCeNiSn,CeNi_2Sn_2CePt _2Sn_2,Upd_2などを含め7種類の単結晶の育成に成攻した。これら結晶を用いて、電気抵抗、帯磁率、熱電能、ホール係数、比熱および超音波による弾性定数などの異方性の測定を行った。主な成果を要約すると、(1)CeNiSnは斜方晶(ε-TiNiSi型)のa軸に沿って磁場(H>13T)を印加すると、V字型のギャップが潰れ半導体から金属へ転移し重い電子状態が複活する又圧力(P≧20kbar)を作用することによってギャップが異方的に潰れる、一方同じ結晶構造を示すCePtSnは0.3Kまで金属として振舞う。(2)CePdInとUPdInは同じ結晶構造(ZrNiAl-型六方晶)をとるが、それらが示す物性は極めて対照的な振まい(Pa>Pc:波数ベクトルQ=(0.25,0,0)forCe系とPa<PcQ=(0,0,0.40)forU系)を示し、異方的混成効果がCePdInでは結晶場効果と逆方向へ作用(帯磁率へ対して)し、UPdInでは結晶場効果と増強する方向へ作用する、(3)CeNi_2Sn_2Cept D22 D2 SnD22D2は異常に重い電子状態(γ〜5J/mole)を形成し、極めて異方的な物性を示す。その解析より、結晶場励起エネルギーが低く、近藤効果とRKKY相互作用が競合した新しいタイプの重い電子状態であることなどが明らかにされた。今後は、更に純良な単結晶育成法を確立し、詳細で多面的な研究を行う予定である。
|