研究課題/領域番号 |
03452049
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寿栄松 宏仁 (壽榮松 宏仁) 東京大学, 理学部, 教授 (70013513)
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研究分担者 |
池田 宏信 高エネルギー物理学研究所, 教授 (90013523)
村上 洋一 東京大学, 理学部, 助手 (60190899)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1992年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | モノレイヤー結晶 / 酸素モノレイヤー / 2次元磁性体 / 反強磁性相転移 / 酸素の磁性 / モノレイヤ- / 酸素分子膜 / 磁気相転移 / 三角格子反強磁性体 |
研究概要 |
黒鉛結晶表面上に成長した酸素モノレイヤー結晶は、純粋な2次結晶と考えられ、さらに酸素分子が磁気モーメントを持つことから2次元磁気体となりうる。本研究では、黒鉛表面上の酸素分子モノレイヤーの低温での反強磁性相転移を中性子回折によって明らかにし、磁気構造を決定すると同時に、強いスピン-格子間の相互作用の存在を検証した。さらに、窒化ボロン(Hezagonal BN)結晶表面上に酸素分子モノレイヤーを育成し、反強磁性転移と考えられる相転移を初めて観測した。 黒鉛結晶上の酸素モノレイヤーについては、高エネルギー研究所KEKパルス中性子回折装置を用い、高密度の常磁性相ζ相の反強磁性相ε相への転移に伴う磁気回折線を観測し、この相転移が格子歪みを伴う1次転移であることを明らかにした。また、反強磁性相での酵素分子の磁気モーメントがS=1±0.3の大きさであり、ガスでのそれにほぼ等しいことを検証した。さらに興味深いことは、第2層目分子層が磁気的に秩序状態にないことが実験誤差内で結論できることである。 h-BN上の酸素モノレイヤーについては、既に昨年度に、高感度磁化測定から相図を決定し、黒鉛とは異なる相転移を明らかにしてきたが、今年度はKEK放射光施設で、SRX線による構造解析を初めて行なった。被服度に依存する3種類の結晶構造を決定し、基本的には黒鉛表面上のそれと等価であることを明らかにした。しかし、特筆すべきことは、低密度δ相において観測されていた比較的高温での帯磁率異常が反強磁性転移によるものであることが明らかになった点である。これは黒鉛表面上では観測されなかった磁性相転移であり、さらに低密度相の磁気転移温度が高密度相でのそれより高いことは極めて興味ある現象であり、今後発展する大きな課題であると考えられる。
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