研究課題/領域番号 |
03452112
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械工作
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井川 直哉 大阪大学, 工学部, 教授 (60028983)
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研究分担者 |
大森 義市 大阪大学, 工学部, 講師 (80029040)
島田 尚一 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029317)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1992年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1991年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 超精密切削 / 切削機構 / 分子動力学 / コンピューターシミュレーション / 最小切り取り厚さ / 切削抵抗 / コンピュ-タ-シミュレ-ション / 最小切取り厚さ |
研究概要 |
現在の先端技術・産業における基盤技術である超精密切削加工においては、加工精度向上への要求の高まりに応えるため、切り取り厚さが極めて小さくなりナノメートルレベルにまで達しようとしている。このような、切り取り厚さが数原子層という極微小切削の加工機構を解明するには、従来の連続体力学にもとづくマクロなアプローチでは不十分である。本研究は、原子・分子のレベルで変形・破壊を取り扱うことのできる分子動力学の手法を切削現象の解析に導入し、微小切削理論とでも呼ぶべき新しいアプローチを提案するものである。計算機実験および極微小切削実験の結果から明らかになったことは次のとおりである。 1.銅、アルミニウムの極微小切削実験を行い、ナノメートルレベルでの切削が可能であること、切り取り厚さは工具切れ刃の微視的構造に極めて敏感であり、それが鋭利に保たれていれば切くず排出挙動の再現性も極めて高いことを明らかにした。 2.分子動力学法を用いた極微小切削現象の計算機実験を提案した。切くず形態および切削抵抗の観点から、切り取り厚さがナノメートルレベル以上での極微小切削実験結果とサブナノメートルレベル以下での計算機実験結果は良い整合性を示し、本手法の有用性が明らかになった。 3.極微小切削における加工機構そのものは、従来マクロな切削加工におけるそれと大きな相違はないと考えられるが、工具切れ刃稜の微視的構造の加工精度への影響は極めて大きいことが明らかにした。 4.分子動力学法による解析によって、最小切り取り厚さ、仕上面性状などの観点から、工作機構が理想的に運動する時の切削加工精度の到達限界は1nm程度以下が期待できることを明らかにした。
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